ニュースがわかる2021年12月号より
2021年のノーベル物理学賞に、日本出身の真鍋淑郎さん(90)=アメリカ国籍=ら3人が決まりました。真鍋さんはコンピューターを使って地球の気候を再現するやり方を1960年代に開発し、温暖化予測の基礎をつくりました。
自然のふしぎ 解明めざす
真鍋さんは1931年、今の愛媛県四国中央市に生まれました。祖父も父も医師で、自身も医学を志しましたが、暗記中心の勉強が苦手で手先も器用ではなかったため、あきらめました。自然現象のふしぎを解明したいという思いから、東京大学理学部で気象学を学びました。
東大大学院で博士課程を修了した1958年にアメリカに渡り、気象局で研究に没頭しました。1997年に帰国しましたが、2001年に再び渡米し、現在はプリンストン大学上席気象研究員を務めています。
温暖化予測のさきがけ
真鍋さんへの授賞理由は、1960年代に手がけた「地球温暖化を予測する地球気候モデルの開発」です。当時、ほとんどの人が温暖化について何も知りませんでした。
そのころアメリカでは、気圧や雨、風の変化といった観測データを物理学の方程式に入れ、天気の変化をコンピューターで予測する研究が進んでいました。真鍋さんも長期的な気候の変化をコンピューターで再現する研究に取り組みました。
【キーワード】触媒とは
化学反応を起こしにくいものどうしを反応させたり、反応を速めたりする物質。化学反応の仲立ちをするが、それ自体は変化しない。
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