憲法を改正する手続きを定めた国民投票法が2021年6月11日、改正されました。憲法改正に賛成か反対かを問う国民投票でも、通常の選挙と同じように駅やショッピングセンターなどに投票所を設置したり、海外での投票の制度を整えたりして投票しやすくします。しかし、憲法改正に関する広告のルールなど問題は残っています。(ニュースがわかる8月号より)
国民投票とは、国の重要な問題への対応を国民自身が投票によって決める方法で、日本では憲法を改正する時に限り実施します。
今回の問題点の1つは、テレビCMにほとんど制限がないことです。投票日前の14日間を除けば、賛成、反対それぞれに投票を呼びかける勧誘CMや、自分の賛否を公表する意見表明CMをテレビに自由に流せます。テレビにCMを流せるのは資金力がある人だけです。
2つ目の問題点は、インターネットによる運動には制限がないことです。憲法改正についてうその表示を禁じる決まりすらありません。最近は選挙の投票率が下がっていますが、投票した人がわずかであっても国民全体の意思と言えるのかという問題もあります。公正、公平なルールづくりの議論は、施行後3年をめどに先送りされました。(編集部)
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