韓国の尹錫悦大統領が昨年12月に「非常戒厳」(戒厳令)を出したことをめぐり、高官犯罪捜査庁(高捜庁)と警察などの合同捜査本部は1月15日、内乱の疑いで尹さんを逮捕しました。(「Newsがわかる2025年3月号」より)
韓国の大統領には刑事責任を問われない特別な権利がありますが、国の統治の仕組みを壊す内乱罪はその対象外です。韓国の現職大統領が逮捕されるのは史上初めてです。内乱罪が裁判で確定すれば、死刑か、刑務所に入れられることになります。
捜査本部は1月3日にも逮捕を試みましたが、大統領公邸で警護する人たちに阻まれました。しかし、1月15日は大きな抵抗はありませんでした。尹さんは国民に向けた映像で「流血の事態を避けたい」として、逮捕に応じると説明しました。取り調べに対しては、なにも話していないそうです。
韓国の裁判所は1月19日、尹さんが「証拠を隠滅する恐れがある」などと説明し、拘束を2月5日まで続けることを認めました。尹さんは「司法手続きを通じ、戒厳令を出した正当性を明らかにする」とのコメントを発表しました。検察は1月26日、尹さんを起訴しました。

弾劾裁判の弁論に出席した尹大統領(左)=韓国・ソウルの憲法裁判所で1月21日、Yonhap News Agency/共同通信イメージズ
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