アメリカのトランプ前大統領が不倫相手に支払った口止め料を不正に会計処理したとされる事件で、東部ニューヨーク州の裁判所の陪審は5月30日、業務記録を改ざん(文書などの内容を直すこと。特に悪用するために勝手に直すこと)した罪でトランプさんに有罪評決を下しました。(「Newsがわかる2024年8月号」より)
大統領経験者が刑事事件で有罪評決を受けるのは史上初めてです。バイデン大統領と再対決する11月の大統領選挙が迫る中、トランプさんにとって大きな打撃となりそうです。
トランプさんは帳簿など34件の業務記録を改ざんしたとして起訴され、陪審は全てで有罪としました。陪審員12人が全員一致で決めました。評決後、トランプさんは記者団に「私は非常に潔白な人間だ」と主張。「私は国のため、憲法のために闘っている。我が国は不正ばかりだ」などと持論を展開しました。
トランプさんは有罪になっても大統領選挙には出馬できます。トランプさんは今回の事件のほか、敗北した2020年大統領選挙の結果を覆そうとした事件など三つの刑事事件でも起訴されています。しかし、11月の大統領選挙までに評決が出るのは今回だけになる可能性があります。
アメリカ・ニューヨーク州地方裁判所で有罪の評決を受け、記者団に話すトランプ前大統領=ニューヨークで5月30日、ゲッティ/共同
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