資金難の国立科学博物館(科博)=東京都台東区=が呼びかけていたクラウドファンディングが11月5日、目標の1億円を大きく上回る約9億2000万円を集めて終了しました。(「Newsがわかる2024年1月号」より)
今回集まった金額は、寄付・購入型のクラウドファンディングとしては国内最高額を更新したそうです。篠田謙一館長は「多くの方から支援をいただき、大きな責任を感じる」と話しました。
科博は入館者数で国内の博物館トップの人気がありますが、新型コロナウイルスの流行や物価上昇が経営を圧迫しています。標本の収集や維持管理の費用が不足し、国から追加の財政支援がなかったため8月7日からクラウドファンディングを始めました。返礼品などが話題になり、開始後わずか約9時間半で目標を達成。支援者総数は約5万7000人に上りました。
返礼品などの経費を除いた約6億円のうち、約4億4000万円を科博のコレクション充実や維持管理に使う予定です。残る約1億6000万円は、他の科学系の博物館との共同事業に充てることにしています。
科博は今後、海外の博物館を参考に寄付額に応じて特別なサービスを提供する仕組みも検討し、寄付を収入の柱の一つにしたい考えです。
クラウドファンディングで9億円超を集めた国立科学博物館=東京都台東区で11月6日
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