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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

福島第1原発事故処理水放出計画
IAEA「国際基準合致」の報告書

 東京電力福島第1原子力発電所の処理水を海に放出する計画をめぐり、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は7月4日、計画が国際的な安全基準に合致しているとした報告書を公表しました。政府は夏ごろに放出を始める計画で、その前に国際的な保証を得た形です。(「Newsがわかる2023年9月号」より)

 IAEAは日本政府の依頼を受け、2年間にわたって放出計画の安全性を検証しました。報告書は、処理水を放出しても人や環境に与える影響は無視できる程度だとしたうえで、海洋放出をすすめたり支持したりするものではないとしました。

 7月7日には国の原子力規制委員会が、放出設備が最後の検査を終えたことを示す「終了証」を東電に交付しました。これで政府が示していた、海洋放出を行うための条件がそろいました。

 一方で政府と東電は、処理水について、関係者の理解なしには処分はしないと地元漁業者らと約束していました。漁業者らは放出に反対しており、中国など海外からも反対の声が上がっています。

IAEAのグロッシ事務局長(左)から報告書を受け取る岸田文雄首相=首相官邸で7月4日

国際原子力機関(IAEA)  原子力の平和利用を進め、軍事利用を防ぐ国連の関連機関。本部はオーストリア・ウィーンで、加盟国は176カ国(2023年1月現在)。核兵器の開発が疑われる国の調査や監視を行うことから「核の番人」とも呼ばれる。2005年にはIAEAと当時の事務局長がノーベル平和賞を受賞した。

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