縄文人はスーパースター!?【月刊Newsがわかる11月号】

かこさとしさん 生誕100年【ニュース知りたいんジャー】

「からすのパンやさん」や「だるまちゃん」シリーズなどで知《し》られる絵本作家《えほんさっか》、かこさとし(加古里子《かこさとし》)さん(1926~2018年《ねん》)が、3月《がつ》31日《にち》で生誕《せいたん》100年《ねん》を迎《むか》えます。これまで600点《てん》を超《こ》える作品《さくひん》を発表《はっぴょう》してきました。生誕《せいたん》100年《ねん》を記念《きねん》して、展覧会《てんらんかい》や書店《しょてん》のフェアが開催《かいさい》されています。92歳《さい》で亡《な》くなるまで絵本《えほん》を描《か》き続《つづ》けたかこさんは、どのような人生《じんせい》を歩《あゆ》み、絵本《えほん》にどんな思《おも》いを込《こ》めたのでしょうか。

 どんな絵本《えほん》を描《か》いたの

 かこさんは1959年《ねん》に「だむのおじさんたち」でデビューしました。1967年《ねん》に「だるまちゃんとてんぐちゃん」(福音館書店《ふくいんかんしょてん》)、1973年《ねん》に「からすのパンやさん」(偕成社《かいせいしゃ》)が出版《しゅっぱん》され、世代《せだい》を超《こ》えて読《よ》み継《つ》がれています。

 ユーモアあふれるゆかいな物語《ものがたり》絵本《えほん》のほかに、多《おお》くの科学《かがく》絵本《えほん》も描《か》きました。「かわ」(福音館書店《ふくいんかんしょてん》)は、山《やま》に降《ふ》った雨《あめ》から生《う》まれた小《ちい》さな流《なが》れが川《かわ》となり、やがて海《うみ》へと注《そそ》ぐ旅《たび》が描《えが》かれています。そのほかに「海《うみ》」「地球《ちきゅう》」「宇宙《うちゅう》」「人間《にんげん》」(いずれも福音館書店《ふくいんかんしょてん》)もあります。
 エジプトのピラミッドの歴史《れきし》や構造《こうぞう》、宗教《しゅうきょう》について描《えが》いた「ピラミッド」(偕成社かいせいしゃ)は大《おお》きなスケールの内容《ないよう》です。ほかに、行事《ぎょうじ》の由来《ゆらい》を紹介《しょうかい》する絵本《えほん》「こどもの行事《ぎょうじ》 しぜんと生活《せいかつ》」12巻《かん》、草花《くさばな》遊《あそ》びや折《お》り紙《がみ》、あやとりなどの遊《あそ》びを紹介《しょうかい》する絵本《えほん》「あそびずかん」4巻《かん》(いずれも小峰書店《こみねしょてん》)などもあり、幅広《はばひろ》いジャンルの作品《さくひん》を世《よ》に送《おく》り出《だ》しました。

アトリエで絵本を作成するかこさとしさん=神奈川県藤沢市で2005年

 どんな子《こ》ども時代《じだい》だったの?

 かこさんは1926年《ねん》、現在《げんざい》の福井県越前市《ふくいけんえちぜんし》に生《う》まれました。小学《しょうがく》2年《ねん》生《せい》の時《とき》に東京《とうきょう》へ引《ひ》っ越《こ》しますが、1937年《ねん》に日中戦争《にっちゅうせんそう》が、1939年《ねん》には第二次世界大戦《だいにじせかいたいせん》が始《はじ》まりました。かこさんは飛行機《ひこうき》にあこがれ、戦闘機《せんとうき》のパイロットになるため士官学校《しかんがっこう》を目指《めざ》します。しかし、視力《しりょく》が悪《わる》かったため断念《だんねん》しました。
 高校《こうこう》2年《ねん》生《せい》になると戦争《せんそう》が激《はげ》しくなり、高校生《こうこうせい》も軍需《ぐんじゅ》工場《こうじょう》で働《はたら》かせられました。友達《ともだち》に会《あ》えず、交流《こうりゅう》を図《はか》るために俳句《はいく》や詩《し》を書《か》いて文集《ぶんしゅう》を作《つく》り、回覧《かいらん》していました。ペンネームの「里子《さとし》」はこの時《とき》に使《つか》っていた俳号《はいごう》です。

 3年《ねん》生《せい》はなくなって切《き》り上《あ》げで卒業《そつぎょう》し、1945年《ねん》に東京帝国大学《とうきょうていこくだいがく》(今《いま》の東京大学《とうきょうだいがく》)工学部《こうがくぶ》応用《おうよう》化《か》学科《がくか》に入学《にゅうがく》します。空襲《くうしゅう》で家《いえ》を失《うしな》い三重県《みえけん》へ疎開《そかい》し、8月《がつ》15日《にち》に終戦《しゅうせん》を迎《むか》えました。
 9月《がつ》に大学《だいがく》の授業《じゅぎょう》が再開《さいかい》され、演劇《えんげき》研究《けんきゅう》会《かい》に入《はい》ります。舞台《ぶたい》装置《そうち》のデザインや作製《さくせい》、子《こ》ども向《む》けの演劇《えんげき》脚本《きゃくほん》を書《か》き始《はじ》めました。

 絵本《えほん》デビューまでは?

 東京《とうきょう》大学《だいがく》を卒業後《そつぎょうご》、化学《かがく》会社《かいしゃ》に就職《しゅうしょく》しました。結婚《けっこん》を機《き》に、現在《げんざい》の神奈川県川崎市《かながわけんかわさきし》に引《ひ》っ越《こ》しました。近所《きんじょ》の子《こ》どもたちに手作《てづく》りの紙芝居《かみしばい》を披露《ひろう》したり、絵《え》の指導《しどう》をしたりする地域《ちいき》に根差《ねざ》したボランティア「セツルメント活動《かつどう》」をしていました。
 そこで子《こ》どもたちの人気《にんき》になって、本《ほん》の編集者《へんしゅうしゃ》の目《め》にとまり、1959年《ねん》に「だむのおじさんたち」でデビューしました。1970年《ねん》に神奈川県藤沢市《かながわけんふじさわし》へ転居《てんきょ》し、亡《な》くなるまで50年《ねん》近《ちか》く住《す》みました。

 かこさんは生前《せいぜん》、「絵本《えほん》づくりのすべては子《こ》どもさんに教《おそ》わった」「子《こ》どもさんの反応《はんのう》ほど厳《きび》しく正《ただ》しいものはない」と話《はな》していました。徹夜《てつや》で描《か》いた紙芝居《かみしばい》を見《み》せても、途中《とちゅう》で1人《ひとり》、2人《ふたり》といなくなることもあったそうです。かこさんは「子《こ》ども」には、必《かなら》ず「さん」とつけました。

 原点《げんてん》は戦争《せんそう》体験《たいけん》

 視力《しりょく》が悪《わる》かったため士官《しかん》学校《がっこう》へ行《い》けなかったかこさんは、これまで励《はげ》ましてくれた先生《せんせい》から「なんだ、軍人《ぐんじん》になれんようなやつか」と言《い》い放《はな》たれたそうです。しかし、航空《こうくう》士官《しかん》になった友人《ゆうじん》たちは、特攻隊《とっこうたい》として戦地《せんち》へ送《おく》られ、次々《つぎつぎ》と亡《な》くなりました。
 かこさんは終戦《しゅうせん》後《ご》、「生《い》き残《のこ》ったというより、死《し》にはぐれた」と悩《なや》み苦《くる》しみました。そして、過去《かこ》に軍人《ぐんじん》を目指《めざ》した自分《じぶん》の無知《むち》さを反省《はんせい》し、残《のこ》りの人生《じんせい》を、未来《みらい》を作《つく》る「子《こ》どもたちのために生《い》きる」と決心《けっしん》します。戦争《せんそう》体験《たいけん》をもとに「自分《じぶん》で考《かんが》えて行動《こうどう》する子《こ》どもたちが育《そだ》ってほしい」と絵本《えほん》の創作《そうさく》に力《ちから》を注《そそ》ぎました。

 晩《ばん》年《ねん》は、「戦争《せんそう》の本《ほん》を作《つく》りたいが、なかなかできない」と話《はな》していたそうです。かこさんが亡《な》くなった後《あと》、見《み》つかった原稿《げんこう》をもとに、戦争《せんそう》をテーマにした絵本《えほん》が2冊《さつ》出版《しゅっぱん》されました。高校時代《こうこうじだい》の体験《たいけん》を描《えが》いた「秋《あき》」と、孫《まご》の中島《なかじま》加《か》名《めい》さんが絵《え》を手《て》がけた「くらげのパポちゃん」(いずれも講談社《こうだんしゃ》)です。

 展覧会《てんらんかい》も開《ひら》かれるよ

 国立科学博物館《こくりつかがくはくぶつかん》(東京都《とうきょうと》)で企画《きかく》展《てん》が開催《かいさい》されるほか、出身地《しゅっしんち》の福井県《ふくいけん》、長《なが》年《ねん》住《す》んでいた神奈川県《かながわけん》でも展覧会《てんらんかい》が開《ひら》かれます。
 24日《か》から国立科学博物館《こくりつかがくはくぶつかん》で始《はじ》まった企画展《きかくてん》「かこさとしの科学《かがく》絵本《えほん》」は、代表作《だいひょうさく》「かわ」「海《うみ》」「地球《ちきゅう》」「宇宙《うちゅう》」「人間《にんげん》」の原画《げんが》や下絵《したえ》が展示《てんじ》され、科学《かがく》博物館《はくぶつかん》の研究者《けんきゅうしゃ》が絵本《えほん》のシーンを解説《かいせつ》しています。絵本《えほん》に出《で》てくる古生物《こせいぶつ》などの標本《ひょうほん》資料《しりょう》やDNA(遺伝情報《いでんじょうほう》を収《おさ》めた物質《ぶっしつ》)の模型《もけい》も並《なら》び、科学《かがく》博物館《はくぶつかん》ならではの展示《てんじ》が楽《たの》しめます。

 かこさんの未完《みかん》の大作《たいさく》「宇宙《うちゅう》進化《しんか》地球《ちきゅう》生物《せいぶつ》放散《ほうさん》変遷《へんせん》総合《そうごう》図譜《ずふ》(生命《せいめい》図譜《ずふ》)」と、生命《せいめい》図譜《ずふ》に通《つう》じるものとして描《えが》かれた「生命《せいめい》の発生《はっせい》と進化《しんか》」も展示《てんじ》。全長《ぜんちょう》約《やく》5メートルもの「生命《せいめい》図譜《ずふ》」は、宇宙《うちゅう》の始《はじ》まりから今《いま》にいたる生《い》き物《もの》の歩《あゆ》みが描《えが》かれています。
 また、全国《ぜんこく》の書店《しょてん》で「かこさとし生誕《せいたん》100年《ねん》フェア 子《こ》どもと未来《みらい》をみつめて」が開催中《かいさいちゅう》です。代表作《だいひょうさく》やロングセラー作品《さくひん》をそろえています。

(2026年ねん3月がつ25日にち毎日小学生新聞まいにちしょうがくせいしんぶんより)

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