世界で政治リーダーになる女性が増えてきています。日本では高市早苗さんが女性初の総理大臣となり、衆議院選挙では高市さんが総裁を務める自民党が圧勝しました。女性リーダーへの期待は高まっていますが、今後、女性の活躍の場は広がるのでしょうか。
女性リーダーは世界にどのくらいいるの?
国際連合女性機関などによると、加盟する193か国のうち、第二次世界大戦(1939~45年)以降に女性が大統領や総理大臣を務めたことがある国は、昨年7月の時点で82か国に上ります。現在女性がトップに立っている国は、昨年9月時点で29か国です。これは全体の15%にあたります。
主要7か国(G7)の中では、イギリス、カナダ、ドイツ、イタリアに次いで日本が5か国目です。ヨーロッパ連合(EU)の委員長、フォンデアライエンさんも女性です。アメリカとフランスでは女性大統領は誕生していません。
就任したのはどんな人たち?
世界で初めて国・地域のトップになった女性は、セイロン(現スリランカ)のバンダラナイケさんです。1960年に首相に就任し、1972年に新憲法を制定し、国をスリランカ共和国としました。
G7で1人目はイギリスの首相、サッチャーさん(在任1979~90年)です。厳格な姿勢と強い信念から「鉄の女」と呼ばれました。高市さんの「憧れの政治家」です。ドイツの首相、メルケルさん(在任2005~21年)も長期政権を築きました。現職ではイタリアの首相、メローニさん(在任2022年~)がいます。
アフリカ大陸で初めて選挙で選ばれた女性の政治リーダーは、リベリアのサーリーフさん(在任2006~18年)です。戦争で荒廃した国を立て直し、2011年にノーベル平和賞を受賞しました。日本の近くでは韓国の大統領、朴槿恵さん(在任2013~17年)や台湾の総統、蔡英文さん(在任2016~24年)などがいます。
共同記者発表を終え、握手を交わす高市早苗首相(右)とイタリアのメローニ首相
訪日したイタリアのジョルジャ・メローニ首相(左)と初めて公式会談した高市早苗・総理大臣。「ジョルジャ」「サナエ」と名前で呼び合いました=総理大臣官邸で1月16日
日本の女性政治家は?
日本では、女性に参政権(選挙で投票したり立候補したりする権利)が認められたのは1945年です。1946年の衆議院議員選挙では女性39人が当選しました。
今回の衆院選では女性68人が当選し、過去2番目の多さでした。衆議院議員全体(465人)の14.6%です。国際的な議員交流団体「列国議会同盟(IPU)」によると、世界183か国の女性議員の割合(衆議院にあたる議会)は今年1月の時点で平均27.2%と、日本の倍近くに上ります。
また、世界経済フォーラムによる男女格差の調査「ジェンダーギャップ指数」では、日本は148か国の中で118位で、先進国では最下位レベルです。政治分野に限ると、女性議員や大臣が少ないため、125位とさらに下がります。
高市さんは人気だね
政治学・女性学が専門の三重大学名誉教授、岩本美砂子さんに話を聞きました。
高市さんが初の女性総理大臣になったのは、素晴らしいことだと思います。議員には政治家一族や官僚出身者が多い中で、高市さんは女性でありながら自分の力でのし上がってきました。だから、今までの自民党政権とはずいぶん違うことをやってくれるんじゃないかという期待を集め、衆議院議員選挙でも圧勝したのでしょう。
しかし今後、経済に関する政策で行き詰まると、政権は非常に危ういと思います。また、夫婦で違う名字も選べる選択的夫婦別姓の導入や女性天皇に後ろ向きであるなど、女性の人権に関する政策に消極的です。高市さんは、意見が違う人の話もよく聞いて、社会の実態に合う政策を進めてほしいと思います。
そして政党は与野党問わず、女性議員を積極的に育て、増やす取り組みをしてほしい。そうすれば高市さんに続く女性総理大臣も誕生するでしょう。
みんなが活躍できる社会がいいね
選挙で男女の候補者を均等にすることを目指す法律があります。「男女共同参画推進法」といいます。各政党に女性候補者を何人立てるか目標を決めたり、候補者を選ぶ方法を改善することなどを求めています。ただ、この法律に強制力はありません。
女性議員が増えている国では、議席や候補者の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」を導入している場合が多いです。たとえばアフリカ大陸のルワンダは、下院の女性議員の割合が63.8%に上ります。
37歳で首相になり、在任中に出産したニュージーランドのアーダンさん(在任2017~23年)は、退任のあいさつで「心配性でも泣き虫でもリーダーになれるんです」と語り、「ありのまま」を大切にする姿勢が大きな反響を呼びました。
政府・与党は特別国会を18日に召集。総理大臣には再び高市さんが選出され、20日に施政方針演説を行う見通しです。女性議員を増やし、誰もが活躍できる社会を作るために、高市さんがどのような政策を進めるのか、注目が集まりそうです。
(2026年2月18日毎日小学生新聞より)
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女性政治リーダー、活躍に期待【ニュース知りたいんジャー】
https://www.newsgawakaru.com/news/260218