平和の番人 国連の80年【月刊ニュースがわかる4月号】

高専に行こう! 沼津高専編

高等専門学校。タイトルにある「高専」の正式名称です。ロボコンなどでその名前を聞いたことがあるかもしれません。
高専は高等学校と同じく、中学校を卒業したひとが入学することができ、入学後は5年一貫教育(商船学科は5年6カ月)。一般科目と専門科目をバランスよく配置した教育課程により、エンジニアに必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身につけることができます。近年はこの高専のカリキュラムが海を越え「KOSEN」として東南アジアを中心に注目されています。
「高専に行こう!」では、実際に全国各地の高専の魅力や特徴などをレポートします。今回は沼津高専を紹介!

 日本一高い富士山と日本一深い駿河湾の側に位置する沼津工業高等専門学校は、1962年4月1日に国立高等専門学校第1期校12校のひとつとして設置されました。本校は「人がらのよい優秀な技術者となって世の期待にこたえよ」の教育理念のもと、本科5学科(機械工学科、電気電子工学科、電子制御工学科、制御情報工学科、物質工学科)、専攻科1専攻(総合システム工学専攻)3コース(環境エネルギー工学コース、新機能材料工学コース、医療福祉機器開発工学コース)で構成されています。

1.      地域との共同教育・地域の課題を解決する地域志向教育

 本校では全学科を対象に地域志向科目を展開しています。各学科によって3年次または4年次に開講される「社会と技術」では、オープンデータ活用×データサイエンスやリスクアセスメント、ライフサイクルアセスメントを学びます。全学科共通4年次「社会と工学」では地域社会が抱える問題について、地元企業や自治体の協力のもと解決方法の提案を行います。また、5年次「社会と産業」では金融経済教育、アントレプレナーシップ教育、AI・数理・データサイエンス教育など、技術者に必要となる視野の広さと創造性を学びます。

2.学生の主体性を伸ばすコンテスト教育

 高専防災減災コンテスト(2024年防災科研賞)、パテントコンテスト(2022年特許庁長官賞)、高専ロボコン(2020年ロボコン大賞)、高専ワイヤレステックコンテスト(2020年地域物産貢献大賞)、高専起業家サミット(2024年JT賞・HONDA IGNITION賞)、NICEにほんごスピーチコンテスト(2022年優勝)、高専ディープラーニングコンテスト(本戦4年連続出場)など、本校はいずれのコンテストにも積極的に参加し、さらにコンテストを通じた起業家教育を進めています。また、学生が身近な気づきから地域、そして社会の課題への解決策をデータに基づき説明し提案できることにつながることを期待して沼津高専チャレンジコンテストを実施しています。これらの取り組みを通じて、学生の無限の可能性を引き出すことができると考えています。

 本校卒業生の評価は非常に高く、求人倍率は例年約40倍です。学年に応じたキャリア教育を行っており、卒業後の自分を思い描きながら進路を決めることができます。本科卒業生のほぼ半数が就職し、その大部分は研究・開発に従事します。残りの半数は、本校の専攻科に進学したり、大学に編入学したりして、より高度な知識を身につけるために勉学や研究を続けます。その後大学院に進学して専門性をさらに追究し、研究者を目指すこともできます。

【沼津高専へのアクセス】

■バス
富士急シティバス JR沼津駅南口から「マーレ沼津工場前」下車徒歩10分
■電車
JR御殿場線「下土狩」駅 下車 徒歩20分

■車
東名高速道路 「沼津IC」より5分程度
新東名高速道路 「長泉沼津IC」より5分程度
「JR下土狩駅」より5~10分程度
「JR三島駅北口」より5~10分程度