縄文人はスーパースター!?【月刊Newsがわかる11月号】

災害に備えて 車中泊避難について知ろう【ニュース知りたいんジャー】

災害時《さいがいじ》に自宅《じたく》や避難所《ひなんじょ》ではなく、車《くるま》の中《なか》で寝起《ねお》きする「車中泊《しゃちゅうはく》避難《ひなん》」が、近《きん》年《ねん》注目《ちゅうもく》されています。プライバシーが保《たも》たれるなどのメリットがありますが、健康被害《けんこうひがい》の恐《おそ》れもあるため、正《ただ》しい知識《ちしき》を身《み》に付《つ》けておくのが大切《たいせつ》です。自動車《じどうしゃ》メーカー・トヨタ自動車《じどうしゃ》(愛知県《あいちけん》)の社会貢献《しゃかいこうけん》部《ぶ》の高木《たかぎ》陽一《よういち》さんに教《おし》えてもらいました。

 実際《じっさい》の車中泊《しゃちゅうはく》避難《ひなん》の例《れい》は?

 2016年《ねん》4月《がつ》に2度《ど》の最大《さいだい》震度《しんど》7を記録《きろく》し、甚大《じんだい》な被害《ひがい》が出《で》た熊本地震《くまもとじしん》では、多《おお》くの被災者《ひさいしゃ》が車中泊《しゃちゅうはく》避難《ひなん》を選《えら》びました。

 被災《ひさい》当時《とうじ》、熊本地震《くまもとじしん》の被災地《ひさいち》で車中泊《しゃちゅうはく》をする避難《ひなん》者《しゃ》50人《にん》に毎日新聞《まいにちしんぶん》が、どうしてなのかアンケートをしました。その結果《けっか》、理由《りゆう》には、▽余震《よしん》(大《おお》きな地震《じしん》の後《あと》に続《つづ》いて起《お》きる地震《じしん》)への恐怖《きょうふ》から屋内《おくない》が怖《こわ》い、▽プライバシーのない避難所《ひなんじょ》のストレス、▽乳幼児《にゅうようじ》やペットがいるために避難所《ひなんじょ》の利用《りよう》を避《さ》けた――などがありました。

 一方《いっぽう》で、狭《せま》い車《くるま》の中《なか》に長《なが》く同《おな》じ姿勢《しせい》でいたため、血《ち》の巡《めぐ》りが悪《わる》くなって血液《けつえき》中《ちゅう》に血《ち》の塊《かたまり》ができて血管《けっかん》が詰《つ》まる病気《びょうき》「エコノミークラス症候群《しょうこうぐん》」になって亡《な》くなる人ひともいました。

熊本地震で設けられた避難所の駐車場で車中泊する人たち=熊本県益城町で2016年4月20日

 やる時《とき》のポイントは?

 トヨタ自動車《じどうしゃ》が啓発《けいはつ》活動《かつどう》のためにまとめた車中泊《しゃちゅうはく》避難《ひなん》のリスクやポイントを教《おし》えてもらいました。

 まず、車内《しゃない》で足《あし》を伸《の》ばせる環境《かんきょう》をつくりましょう。エコノミークラス症候群《しょうこうぐん》を防《ふせ》ぐためには、寝《ね》る姿勢《しせい》をなるべく水平《すいへい》にすることが重要《じゅうよう》です。全員《ぜんいん》が足《あし》を伸《の》ばせる状態《じょうたい》をつくるためには、乗用車《じょうようしゃ》の場合《ばあい》は大人《おとな》2人《ふたり》までが推奨《すいしょう》されています。スペースがあれば、子《こ》ども1人《ひとり》か2人《ふたり》も一緒《いっしょ》に避難《ひなん》できます。

 駐車《ちゅうしゃ》する場所《ばしょ》は、傾斜地《けいしゃち》は避《さ》けましょう。防犯《ぼうはん》のため、なるべく街灯《がいとう》や人通《ひとどお》りがあるところを選《えら》び、ドアはロックをしましょう。近《ちか》くにトイレがあるといいです。自治体《じちたい》によっては、車中泊《しゃちゅうはく》用《よう》の避難場所《ひなんばしょ》を設《もう》けているところもあります。

 停車《ていしゃ》時《じ》にはエンジンを切《き》り、排《はい》ガスが出《で》るマフラーが壁《かべ》や草《くさ》、積雪《せきせつ》で塞《ふさ》がれないように注意《ちゅうい》してください。マフラーが塞《ふさ》がれると、有毒《ゆうどく》な一酸化炭素《いっさんかたんそ》が含《ふく》まれる排《はい》ガスが逆流《ぎゃくりゅう》して車内《しゃない》に充満《じゅうまん》し、一酸化炭素中毒《いっさんかたんそちゅうどく》になる恐《おそ》れがあります。

 シートのアレンジの方法《ほうほう》を教《おし》えて

 車《くるま》のシート(座席《ざせき》)をアレンジするのも有効《ゆうこう》です。主《おも》に三《みっ》つの方法《ほうほう》があります。

 一《ひと》つは、運転《うんてん》席《せき》と助手席《じょしゅせき》のある1列《れつ》目《め》のシートをリクライニングする方法《ほうほう》です。シートを一番《いちばん》後《うし》ろまでスライドして背《せ》もたれを倒《たお》したら、足元《あしもと》の空間《くうかん》にリュックや段《だん》ボールを置《お》いて、足《あし》が上《あ》げられるようにします。シート上《じょう》の段差《だんさ》はタオルやクッションなどで埋《う》めましょう。

 次《つぎ》は、一番《いちばん》後《うし》ろの荷《に》室《しつ》を使《つか》う方法《ほうほう》です。1列《れつ》目《め》は一番《いちばん》前《まえ》へスライドし、後部座席《こうぶざせき》のある2列《れつ》目《め》シートを前《まえ》に倒《たお》して荷《に》室《しつ》と連結《れんけつ》するようにします。ただ、このままだと硬《かた》いので、アルミマットなどを敷《し》いたうえで、枕《まくら》代《が》わりになるものを用意《ようい》すると寝《ね》やすくなります。

 三《みっ》つ目《め》は、シートを連結《れんけつ》させる方法《ほうほう》です。連結《れんけつ》させるシートのヘッドレストを取《と》り外《はず》し、背《せ》もたれを倒《たお》してつなげます。車種《しゃしゅ》によって適《てき》したシートアレンジの方法《ほうほう》が違《ちが》うので、詳《くわ》しくはトヨタ自動車《じどうしゃ》の特設《とくせつ》サイトなどを参照《さんしょう》してください。

助手席をリクライニングして、足元の空間にリュックや段ボールを置いて足が上げられるようにします

 体調管理《たいちょうかんり》にも気《き》をつけよう!

 エコノミークラス症候群《しょうこうぐん》を防《ふせ》ぐためには、次《つぎ》のようなことが大事《だいじ》だといいます。水分《すいぶん》をこまめに取《と》る、▽定期的《ていきてき》に運動《うんどう》する、▽ゆったりとした服《ふく》を着《き》て、ベルトをきつく締《し》めない、▽寝《ね》るときは足《あし》をあげる、▽足首《あしくび》とふくらはぎを適度《てきど》に圧迫《あっぱく》する「着圧《ちゃくあつ》ソックス」をはく――などです。息苦《いきぐる》しさや足《あし》の痛《いた》みを感《かん》じたら、救護《きゅうご》所《しょ》へ行《い》ってください。

 また、暑《あつ》い時期《じき》には熱中症《ねっちゅうしょう》、寒《さむ》い時期《じき》には低体温症《ていたいおんしょう》の恐《おそ》れがあります。夏《なつ》は換気《かんき》をして水分《すいぶん》や塩分《えんぶん》をとり、冬《ふゆ》は窓《まど》ガラスにタオルなどを張《は》って、冷気《れいき》が入《はい》ってくるのを防《ふせ》ぎましょう。天候《てんこう》や気候《きこう》の条件《じょうけん》が悪《わる》い時《とき》には、車中泊《しゃちゅうはく》避難《ひなん》をあきらめる判断《はんだん》も大切《たいせつ》です。車内《しゃない》には水道《すいどう》がないため、歯《は》を磨《みが》けないこともあります。誤《あやま》って食《た》べ物《もの》が食道《しょくどう》ではなく気管《きかん》へ入《はい》った時《とき》に細菌《さいきん》が肺《はい》へ入《はい》る病気《びょうき》「誤嚥性肺炎《ごえんせいはいえん》」につながる恐《おそ》れもあるので注意《ちゅうい》してください。

新聞紙をガラス窓の上に挟んだ状態で窓を閉めると目隠しになります

 何《なに》を用意《ようい》すればいい?

 車内《しゃない》に車中泊《しゃちゅうはく》用《よう》のアイテムを用意《ようい》しておくと安心《あんしん》です。平常《へいじょう》時《じ》に一《いち》度《ど》、試《ため》しに車中泊《しゃちゅうはく》を体験《たいけん》しておくと、足《た》りないものが分《わ》かり、より備《そな》えられるようになります。

 車中泊《しゃちゅうはく》ではプライバシーを守《まも》ることも大切《たいせつ》です。フロントガラスなどを隠《かく》す車《くるま》用《よう》のカーテンがありますが、窓《まど》に日差《ひざ》しを遮《さえぎ》るサンシェードをしたり、タオルを張《は》ったりするのも有効《ゆうこう》です。接着《せっちゃく》テープがなければ、新聞紙《しんぶんし》やタオルをガラス窓《まど》の上《うえ》に挟《はさ》んだ状態《じょうたい》で窓《まど》を閉《し》めるだけでも目隠《めかく》しになります。窓《まど》を開《あ》けて換気《かんき》する際《さい》は、網戸《あみど》のようなウインドーネットを使《つか》うのもおすすめです。

 シートアレンジで使《つか》えるマットやタオル、クッションなどのほか、携帯《けいたい》トイレ、着《ちゃく》圧《あつ》ソックス、衣類《いるい》なども用意《ようい》するといいでしょう。特設《とくせつ》サイトには備蓄《びちく》品《ひん》の一覧《いちらん》も載《の》っているので確認《かくにん》してみてください。

(2025年ねん11月がつ5日いつか毎日小学生新聞まいにちしょうがくせいしんぶんより)

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