アニマルウェルフェアを学ぶ【月刊ニュースがわかる6月号】

地震の観測、その方法は?【ニュース知りたいんジャー】

世界せかいなかでも地震じしんがよくきる「地震国じしんこく」である日本にっぽん地震じしんきると、全国ぜんこくめぐらされた観測網かんそくもうれの様子ようすをいちはやくとらえ、震度しんど震源しんげん、マグニチュードといった情報じょうほう速報そくほうされます。でも一体いったい、どのようにしてれを記録きろくしているのでしょうか。明治時代めいじじだいから、1995ねん阪神大震災はんしんだいしんさい現在げんざいまで、観測機器かんそくききうつわりをつうじて、そのしくみをていきます。

地震計じしんけいはどうやってれを記録きろくしているの?

 そのしくみは「」にたとえられます。ったはやると、だけがうごいておもりはまったままになります。明治時代めいじじだい登場とうじょうした機械式きかいしき地震計じしんけいは、この原理げんり利用りようしました。おもりについたはりが、地面じめん一緒いっしょうごくろかみをひっかいて、地面じめんうごいたはばなど、れの様子ようす記録きろくしていたのです。
 複数ふくすう地震計じしんけいがあれば、どこで地震じしんこったか(震源しんげん)をもとめることができます。

震度しんどとはどういうもの?

 震度しんど明治時代めいじじだいからながらく、からだでのかんかた建物被害たてものひがいから見積みつもられていました。現在げんざい機械きかい自動的じどうてき計算けいさんされ、10段階だんかい震度階級しんどかいきゅう発表はっぴょうされています。
 震度しんど自動計算じどうけいさんには、地面じめんがどれだけはやうごいたかをしめす「加速度かそくど」が使つかわれています。この加速度かそくど観測かんそくする地震計じしんけい加速度計かそくどけい)のうち、とく震度しんど算出さんしゅつする機能きのうをもったものを震度計しんどけいといいます。つまり、震度計しんどけい地震計じしんけいひとつということです。

 震度計しんどけいは、東西方向とうざいほうこう南北方向なんぼくほうこうよこうごき)、上下方向じょうげほうこうたてうごき)の3方向ほうこう加速度かそくど観測かんそくしています。3方向ほうこうひとつに合成処理ごうせいしょりするなどして、最終的さいしゅうてきに0・1きざみの「計測震度けいそくしんど」を算出さんしゅつします。

 0~7の震度階級しんどかいきゅうには、それぞれてはまる計測震度けいそくしんど数値すうちめられています。たとえば6.0以上いじょう6.5未満みまんなら「震度しんどきょう」に、6.5以上いじょうなら「震度しんど7」になります。

 マグニチュードとのちがいは?

 地震じしんのニュースでは、震度しんどとマグニチュードはわせて報道ほうどうされることがおおいです。マグニチュードは、発生はっせいした地震じしん規模きぼあらわすものです。「地震じしんがもっているエネルギーのりょう」だとかんがえてください。そのため、ひとつの地震じしんたいしマグニチュードはひとつですが、震度しんど場所ばしょによってことなります。
 マグニチュードは、アルファベットのMを使つかって「M7」などとあらわされます。なお、Mの数値すうちは、0.2おおきくなると地震じしんのエネルギーはやくばいに、1おおきいとやく32ばいになるという関係かんけいがあります。

地震計じしんけい基本的きほんてきなしくみはいまわらないの?


 原理自体げんりじたいわりません。ただ戦後せんごよわ地震じしん観測かんそくや、観測かんそくデータをよりはやつたえることがもとめられてくると、1950年代ねんだいには磁石じしゃくけてれの速度そくど電気信号でんきしんごう変換へんかんする感度かんど電磁式でんじしき地震計じしんけい主流しゅりゅうとなりました。コイルと磁石じしゃくちかづけてうごかすと電気でんきながれる現象げんしょう利用りようしています。これにより、きた地震じしん性質せいしつこまやかにかるようになりました。
 震度観測しんどかんそくひと体感たいかん建物被害たてものひがいから、機械きかいでの観測かんそくえることになったのは、91ねんになってからのことでした。ただ、このタイプの電磁式地震計でんじしきじしんけいなかには、おおきなれではかれる数値すうち上限じょうげんれてしまうものもありました。
 そこで、うごこうとするとそのうごきを電磁石でんじしゃくめるしくみがれられました。電磁石でんじしゃくくわえたちからはげしさを加速度かそくどとして計測けいそくするタイプのものです。子自体こじたいうごかないため、れる心配しんぱいもありません。

何地点なんちてんくらいに地震計じしんけいがあるの?

 国内こくないには震度しんど計測けいそくするやく4300かしょ震度観測点しんどかんそくてんと、震源しんげんやマグニチュードを調しらべるやく1800かしょ地震観測点じしんかんそくてん整備せいびされています。とく震度観測点しんどかんそくてんは、1995ねん阪神大震災はんしんだいしんさいけて、震度しんど情報じょうほうをより災害さいがいはじめの対応たいおう活用かつようできるよう、各市町村かくしちょうそん最低一さいていひとつはかれるようおおきくやされました。
 さらに気象庁きしょうちょうは、加速度計かそくどけい震度計しんどけい)やなが周期しゅうきれもとらえる「広帯域地震計こうたいいきじしんけい」などが一体いったいとなった観測点かんそくてん設置せっちしています。広帯域地震計こうたいいきじしんけいは、巨大地震きょだいじしんのマグニチュードの決定けっていなどに使つかわれます。
 ただ、2011ねん東日本大震災ひがしにほんだいしんさいでは、その広帯域地震計こうたいいきじしんけいれ、マグニチュードをめるのに時間じかんがかかりました。このため、津波つなみたかさがちいさく見積みつもられた津波警報つなみけいほうてしまいました。現在げんざいは、れることのない「広帯域強震計こうたいいききょうしんけい」という機器きき全国ぜんこく80かしょかれています。

(2025ねんがつ23にち 毎日小学生新聞まいにちしょうがくせいしんぶんより)

過去の地震の記録から関東大震災を予言した地震学者、今村明恒博士=1924年撮影

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