日々のニュースの中には、法律や裁判に関するものがたくさんあります。社会のルールである法律と、法律に基づいて判断する裁判が自由で公平な社会を守る大きな役割を果たしているからです。ニュースがよりわかるようになるために、法律や裁判の基本的なしくみを知りましょう。(「Newsがわかる2024年7月号」より)
人権を守り違反を正す
法律はお互いを認め合い、協力し合って生きるためのルールです。法律に基づく正しい手続きで人の権利を守ったり、ルール違反を正したりすることを司法といいます。日本国憲法では国の権力について、法律を定める国会の立法権、法律にそって政策を行う内閣の行政権、裁判所が行う司法権の三つに分ける「三権分立」のしくみをとっています。権力が1カ所に集中するのを避け、お互いがチェックし合ってバランスを保つためです。
裁判所は法律に基づいて争いごとや犯罪を判断し、解決する国の機関です。日本には、ただ一つある最高裁判所の下に全国8カ所の高等裁判所と、その下に50カ所の地方裁判所があります。正しい裁判を実現するため、一つの事件について3回まで裁判を受けられる3審制度があり、裁判官が判断した結果(判決)に納得できない人は上の段階の裁判所に訴えることが認められています。