地球温暖化を食い止めるために大きな役割を担っているのが国連(本部・アメリカのニューヨーク)です。「パリ協定」をはじめとする国際的なルールを決めたり、人々に問題を知ってもらったりすることで解決を目指しています。2年前から「1.5℃の約束 – いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」というキャンペーンを160以上のメディア・団体と展開する国連広報センター(東京都渋谷区)の根本かおる所長は「子どもの声は大きな力を持っている」と言います。話を聞きました。(「Newsがわかる2024年7月号」より)
どんなときに地球温暖化を実感しますか?
根本さん 私は17年ほど前、ネパールで難民支援をしていました。そこは亜熱帯地域で、よくスコール(局地的に突然降る強い雨)に遭いました。最近は、日本でもまるでスコールのような豪雨に見舞われることが増え、亜熱帯型の気候に変化しつつあると肌で感じます。
また、夏休みに外に出て、思いっきり遊び、自然と触れ合うことは、私が子どものころは当たり前でした。でも熱中症で多くの人が搬送された昨年を振り返ると、なかなかおすすめできません。保護者や先生たちも心配でしょう。
地球温暖化は日本だけの問題じゃないんだよね?
根本さん インド洋の島国、モルディブに出張した時のことでした。地球温暖化で海面が上昇し、海の近くに家があった人たちは住めなくなっていました。井戸水には海水が混じり、白くて美しい観光名所だった砂浜はプラスチックごみであふれていました。その時、地球温暖化の問題は待ったなしの状況だと痛感しました。