冬のスポーツの祭典である北京冬季オリンピック（五輪）が２月４日に開幕しました。一部の競技は２日から始まり、２０日まで７競技で史上最多の１０９種目が行われます。昨年夏の東京五輪に続いて新型コロナウイルスが流行する中での開催となりますが、大会のあらましや日本代表の有力選手を紹介します。【まとめ・木村健二】
◇夏にもやっていなかったっけ？
夏季五輪は昨年夏の東京まで３２回を数え、冬季五輪は中国・北京で２４回目です。北京では２００８年に夏季五輪が開かれました。夏と冬の大会を経験する都市は北京が初めてとなります。五輪は大会を開くためにお金がかかりすぎることが課題になっていることなどから、今回は開閉会式を０８年夏季五輪のメインスタジアム「鳥の巣」で行うなど、すでにある施設を生かします。
◇コロナ対策はどうなっているの？
北京五輪は東京五輪と同じように、海外からの観客を受け入れず、選手たちと外部をさえぎる「バブル方式」で行われます。中国国内でも変異株「オミクロン株」の感染が広がり始め、チケットの一般販売はせず、限られた人に配ります。
◇日本でもやるの？
冬季五輪は、これまでに日本で１９７２年に札幌、９８年に長野で開かれたことがあります。北京の次は２０２６年にイタリアで開かれますが、その次の３０年大会について札幌が招致を目指しています。北海道札幌市は昨年１１月、開催にかかるお金を２８００億～３０００億円に見直した計画を公表しました。市民の盛り上がりが課題です。
◇「外交的ボイコット」って何？
五輪に政府の代表を派遣しないことです。アメリカは、中国の新疆ウイグル自治区や香港などでの人権問題を理由にして、「外交的ボイコット」にふみ切る考えです。日本も政府の代表団を送りませんが、中国との関係に気を配り、「外交的ボイコット」という表現はしていません。
これらの国も選手は参加します。全体で約９０か国・地域から２９００人ほどの選手が参加する見通しです。中国のトップの習近平・国家主席（中国共産党）総書記）はこの秋に党大会をひかえています。トップを続けたい習さんたち指導部は、大会を成功に終わらせたい考えです。
………………………………………………………………………………………………………
◇高梨沙羅
ワールドカップ６１勝は男女通じて最多。五輪で初の金メダルを目指します
◇羽生結弦
男子で９４年ぶりの３連覇に挑みます。史上初の４回転半ジャンプに成功するか
◇ロコ・ソラーレ
前回は銅メダルを取り、選手たちの相づちの「そだねー」は流行語大賞になりました
◇小平奈緒
女子５００㍍での２連覇なるか
◇高木美帆
短距離から長距離までこなすオールラウンダーで、全５種目で出場の見込み
◇小林陵侑
伝統の「ジャンプ週間」で２回目の優勝を果たし、勢いに乗っています
◇川村あんり
今季は１７歳にしてワールドカップ３勝
◇平野歩夢
過去２大会銀メダルで、東京五輪にスケートボードで出場した「二刀流」
◇渡部暁斗
過去２大会は銀メダルで、悲願の金メダルを目指します
◆北京五輪の主な決勝種目などの日程
- ２月２日（水） カーリング混合ダブルス１次リーグで競技スタート
- ３日（木） 男女モーグル予選
- ４日（金） 開会式 フィギュアスケート団体初日＝男子ＳＰなど
- ５日（土） スキージャンプ女子個人（高梨沙羅）▽男子モーグル（堀島行真） スピードスケート女子３０００㍍（高木美帆） ショートトラック混合（こんごう）リレー
- ６日（日） スキージャンプ男子個人ノーマルヒル（小林陵侑） 女子モーグル（川村あんり） フィギュアスケート団体２日目＝男子フリーなど
- ７日（月） フィギュアスケート団体最終日＝女子フリーなど スキージャンプ混合団体 スピードスケート女子１５００㍍（高木美帆）
- ８日（火） フィギュアスケート男子ＳＰ（羽生結弦、宇野昌磨） スノーボード女子パラレル大回転（竹内智香）
- ９日（水） スキー複合個人ノーマルヒル（渡部暁斗）
- １０日（木） フィギュアスケート男子フリー（羽生結弦、宇野昌磨） カーリング女子１次リーグ開始（ロコ・ソラーレ）
- １１日（金） スノーボード男子ハーフパイプ（戸塚優斗、平野歩夢）
- １２日（土） スピードスケート男子５００㍍（新浜立也、森重航）、村上右磨） スキージャンプ男子個人ラージヒル（小林陵侑） フィギュアスケートアイスダンスＲＤ（小松原美里）・小松原尊組）
- １３日（日） スピードスケート女子５００㍍（小平奈緒）
- １４日（月） スキージャンプ男子団体 フィギュアスケートアイスダンスフリー
- １５日（火） スピードスケート女子団体追い抜き スキー複合個人ラージヒル（渡部暁斗） フィギュアスケート女子ＳＰ（坂本花織、ワリエワ）
- １６日（水） ショートトラック男子５０００㍍リレー
- １７日（木） フィギュアスケート女子フリー（坂本花織、ワリエワ） スピードスケート女子１０００㍍（高木美帆）
- １８日（金） フィギュアスケートペアＳＰ（三浦璃来・木原龍一）組） スピードスケート男子１０００㍍（小島良太）
- １９日（土） スピードスケート女子マススタート（高木菜那） フィギュアスケートペアフリー
- ２０日（日） 閉会式
（2022年02月02日掲載毎日小学生新聞より）