科学コミュニケーターの本田隆行さんと相棒のボットンが、日常のあちこちに潜む科学を探っていきます。今回は”モクモク”にはワケがある。「夏の雲」をナゾ解き!(「Newsがわかる2024年7月号」より)

そもそも雲って何ものなのさ?
空気中の湿気が冷えてできた、すごく小さな水や氷の粒が集まってるんだ。透明な粒だけど、たくさん集まると光が散らばって白く見えるんだよ。透明な氷から作る「かき氷」が白く見えるのと同じ理由だね
そうなのか~。水や氷の粒って、落ちてこないの?
もちろん、何もなければ落ちるよ。でも、上向きの風が吹いていれば、粒は落ちることができずに浮かんだまま。雲は上向きの風に乗って浮かんでいるんだ。ちなみに、粒どうしがくっついて大きくなると、重くなって地上まで落ちてくる。これが雨だね
なるほど~! それでそれで、夏っぽい雲はどうやってできてるのさ?
夏って、太陽に照らされて地面が熱くなるでしょ? すると地面に接する空気も熱くなる。空気ってあたたまると軽くなるから、あっちこっちであたたまった空気が上に昇って冷やされて、雲を作ってるんだ

地面からの熱であたたまった空気が上空に昇る。その空気が寒い上空で冷やされ、水蒸気が水の粒となって雲を作る
へー! 夏によく見る雲は、あっちこっちで空に昇る空気が作った雲だったのか
そうそう。ジメッとした夏の空気がぐいっと上に昇ると、湿気が水や氷の粒に変わっていき、どんどん上向きに成長するからモクモクした雲になるんだね
そういえば、雲ってちゃんとした名前ってあるの?
あるよ。夏を代表する雲だと、モクモクしてておいしそうなのが「積雲」。そして、すごく背が高くて迫力満点なのが「積乱雲」って言うんだ

※ウェザーニューズの「高さと形で決まる10種類の雲の名前」を基に作成
積乱雲って、入道雲のこと?
実は入道雲って、とても大きな積雲(雄大積雲)の別名なんだ。積乱雲はそれがさらに大きく発達してできる。見分け方は、てっぺんの形かな。入道雲は坊主頭みたいに丸いけど、積乱雲はまるで山のようだったり風になびいて平らだったりする

発達した巨大な積乱雲。その上部が成層圏付近に達し、横に広がるようにのびて金属加工で使われる金床のような形になる「かなとこ雲」に=東京都調布市で2020年8月
そうだったんだ! 積乱雲ってすごい迫力だね……
迫力は見た目だけじゃないんだ。積乱雲の下では大雨が降るし、雷も鳴る
えー大変!! ……あ、夏の夕立とかゲリラ雷雨とかって、ひょっとして!
そう! 夏の暑さで勢いよく発達した積乱雲の下は、分厚い雲で太陽の光があまり届かないんだ。急に暗くなってヒヤッとした風が吹いてきたり、雷が聞こえてきたりすると要注意だね
ひええ雷怖い、大雨怖い! ぼくは水にぬれたら故障しちゃうから、すぐ建物の中に避難しないと
特に近ごろは、急な大雨が多いし、雷は命にも関わるから本当に気をつけないとね
イラスト:こばやし あさみ
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