科学コミュニケーターの本田隆行さんと相棒のボットンが、日常のあちこちに潜む科学を探っていきます。今回は音はどうやって届く? 「ラジオ」の仕組みをナゾ解き!(「Newsがわかる2023年11月号」より)

ラジオの音が電波に乗って届くことは、知ってるんだね
アンテナで電波を受信するんでしょ!?
そうそう。テレビにラジオ、あとは携帯電話も、電波を使ってやりとりするよね。だから目には見えないけど、いろんな電波が飛び交っているんだ
そうか、いろんな電波の中に、ラジオの電波も混ざってるのかあ
ボットン、そのごちゃ混ぜの電波の中から、聴きたい電波を選ぶにはどうすればいい?
え!……どうしよう。電波には目印も何もないもんなあ
ふふふ。電波は「波」だからね、波の特徴をうまく目印にして見分けるんだ。その特徴ってのが、波の揺れる速さ「周波数」だよ。チャンネルを変えるとき“〇〇Hz(ヘルツ)”って書いてあるでしょ? それそれ

なるほど、ラジオのチャンネルを合わせるには、ごちゃ混ぜの電波の中から聴きたい “波の形”を選び取ってるってわけか
そうそう。でもね、電波と音って両方波として伝わるんだけど、波の形が違いすぎて直接変換できない。放送局では、「変調」という処理をして音を電波に変えてるんだよ。この電波をラジオの機械の中で音に戻すことで、ラジオの放送を聴けるんだ
そうだ、一つ質問があるんだけど。ラジオには音がモンワリ聞こえる「AM放送」と、音がキレイに聞こえる「FM放送」ってのがあるけど。なんでわざわざ分かれてるの?
それは、いいところに気づいたねえ。音以外に違いを感じることはある?
違いねえ……あ、そういえば旅行に行った先でFM放送を聴こうとしたら、チャンネルが全然違ったんだ。おかげで聴きたい番組が聴けなかったなあ
あらま、残念。でも、いい違いに気づいているよ。AMとFMって、さっき話した「変調」の方法が違うんだ。AMは電波の強弱の変化、FMは電波の周波数の変化を使っているよ
なんでわざわざどちらかに統一しないの?
そう。まず違うのは「月の高さ」だよ。月は季節によって昇る高さが変わる。夏ほど低く、冬ほど高く昇るようになるんだ。低いと空気の影響で月明かりが暗くなるし、高いと眺めるのに首が痛くなっちゃう
ということは、春と秋がちょうどいいってことか
それは、お互いに強みもあれば弱点もあるからね。AMの電波は、遠くまで伝わるし障害物にも強い。旅行先でも同じ番組が聴けるんだけど、音質はあまりよくない。反対にFMの電波は、キレイな音で聴けるけど、遠くまで届かなかったり、障害物には弱かったりするんだ

確かに! 旅行先で聴こうとしてたのは、FM放送の番組だったよ……
この特徴があるから、音質にこだわる音楽番組がFMには多いし、AMにはトーク番組やニュース番組が多いのかもね
なるほど〜。ラジオって、インターネットにつながなくても使えるから、家の中でも外でも、場所を気にせず楽しめるし、なんと言っても、災害時に役立つよね!
おお? その通り! 今日はさえてるね、ボットン!
……って、さっきラジオでDJさんが言ってたんだ。てへ
イラスト:こばやし あさみ
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