【ニュースがわかる2024年7月号】巻頭特集は「沸騰」する地球の未来

児童英語講師になるには?必要な資質や意識すべきことを専門家が解説

「児童英語講師になるために必要な資質は?」

「その資質を向上させるにはどうすればいい?」

児童英語講師になりたいと思っている方の中には、このような疑問をお持ちの方が多いのではないでしょうか。会話力を中心とした英語力が必要というのはイメージできると思いますが、児童英語講師はその他にも、子どもを洞察する力や教材を作る力も求められます。

このコラムでは、英語教育の専門家であり神田外語大学准教授の河合裕美先生のお話をもとに、

  • 児童英語講師に求められる資質
  • その資質を磨くために意識すべきこと
  • おすすめの資格

などを紹介していきます。児童英語講師を目指す上での疑問・不安解消の一助になれば幸いです。

1.児童英語講師になるために必要な3つの資質

児童英語講師になるためにはまず、子どもが好きということが前提です。その上で必要とされる資質は以下の3つです。

  • 子ども洞察する力
  • 教えるための口語的な英語力
  • 教材を作るアイデア力

1-1.子どもを洞察する力

子どもに教える仕事で全般的に必要とされるのは、子どもたちの様子を幅広く見るための洞察力や注意力です。児童英語のフィールドでは、身体的な成長も認知発達も著しい2歳〜12歳くらいの子どもたちの変化に対応しながら教える必要があるからです。また、他の子どもたちと同じようにできない子、一人残されてしまうという子がいることも少なくありません。そうした子どもに気付き、配慮することも求められます。

1-2.教室向けの口語的な英語力

英語力は不可欠ですが、特に求められるのが子ども向けの教室英語を自然に話せる力です。児童英語では、絵本教材を使ったストーリーテリングやコミュニケーション活動など、音声で教えることが多いからです。話し方も重要です。例えば間違いを正すとき、中高生であれば文法用語を使って説明しますが、子どもには通用しません。成長に合わせてきちんと伝わる説明が自然にできる英語力が必要と言えます。

1-3.教材を作るアイデア力

オリジナル教材を作る発想力も必要です。中学校や高校の英語の先生との大きな違いとして、児童英語講師は自分で教材を作る機会が多いからです。絵カードやポスターはもちろん、教室の装飾まで手作りすることもあります。そうした意味では、ある程度の手先の器用さも必要になってきます。

★留学は必要?

留学は必ず行かなければならないというわけではありませんが、視野を広げられるという意味ではおすすめです。児童英語講師は言葉を教えるだけではなく、その文化背景も教える役割を担っています。海外生活において現地の文化・風習を目の当たりにできることで、例えばハロウィンやクリスマスは本来どんな雰囲気で行われているのかといったことを、実体験をもとに自分の言葉で子どもに伝えられるようになります。

2.必要な資質を磨くために意識すべきこと

1章で説明した3つの資質を磨くために意識すべきことを紹介します。

2-1.子どもを洞察する力を磨くために

全ての子どもたちに気を配るようにしましょう。ご自身のお子様のお世話をする場合と違い、児童英語講師はクラス全体を見るのが役目です。積極的に話しかけてきて慕ってくれる子や、支援が必要な子を意識してしまいがちですが、本当にケアしなければいけないのは自分から発信できないタイプの子です。子どもたち一人ひとりをよく観察し、特性を理解することを意識してください。

2-2.教室向けの口語的な英語力を磨くために

マザリーズ(幼児向けの話し言葉)を意識し、それを発展させて話すようにしましょう。例えば絵本を読むときも単純に音読するだけでなく、母親が自身の子に読み聞かせをしているように話す練習をしてみてください。何か指示をするときも、難しい言い回しで「説明」するのではなく、“Look at this!” などと言いながら実際にやって見せるのが良いでしょう。

2-3.教材を作るアイデア力を磨くために

巷にあるゲームや装飾など、アイデアの材料になりそうなものを探し、普段から目を向けておくとよいでしょう。ご自身が幼少期にやって楽しかったことや、既に完成されたゲームなども教材のアイデアとして使えます。

※児童英語指導用の教材やゲームのアイデアを得られるおすすめサイトを以下にご紹介します。参考にしてみてください。

ZOOMschool

世界の地理や生き物などについて英語で学習できる教材を紹介しているサイトです。

Education.com

アクティビティのアイデアを閲覧したり、ワークシートなどのリソースをダウンロードしたりできます。

3.児童英語講師になるためにおすすめの資格

話す力が特に重要と説明してきましたが、全体的な英語力の証明として英検®やTOEIC®、TOEFL®などの級・スコアは高いほうが当然有利です。TOEIC®はListening & Reading Testよりも、アウトプットの力を測るSpeaking & Writing Testsを受けるほうが良いでしょう。

2019年からは、グローバル化に対応できる幼稚園教諭や保育士を目指す人向けの「幼保英語検定」という資格も始まりました。まだ認知度はそれほど高くありませんが、保育に関わる英語の専門性の証明としてチャレンジしても良いかもしれません。

※幼保英語検定に関する詳細は公式サイトをご参照ください。

4.まとめ

河合先生のお話をもとに紹介した児童英語講師の資質に関するポイントをおさらいします。

■児童英語講師になるには子どもが好きということが大前提

■児童英語講師になるために必要な資質はこの3つ

・子どもを洞察する力

・教えるための口語的な英語力

・教材を作るアイデア力

■その資質を磨くために意識すべきこと

・子どもたち一人ひとりをよく観察し、特性を理解する

・マザリーズを意識して話す

・アイデアの材料になりそうなものを探しておく

■特に重要となるのは会話力だが、全般的な英語力の証明として英検®やTOEIC®、TOEFL®は受けておくべき

このコラムの内容を参考に、児童英語講師への一歩を踏み出してみてください。

話を聞いたひと

河合裕美(かわい・ひろみ)

神田外語大学児童英語教育研究センター(CTEC)副センター長、准教授。青山学院大学大学院文学研究科英米文学専攻博士後期課程修了。学術博士。専門は初等英語教育。特に子どもの英語音声習得や指導法の研究、聴覚障害児童の英語音声指導など。これまで都内や千葉県内の公立小学校で自ら外国語指導を行い実証・検証をしつつ、小学校教員研修等で音声指導法の普及に努めてきた。