魚介類の1人当たりの消費量は、減少の一途を辿っています。「食料需給表」(農林水産省)によると、食用魚介類の1人1年当たりの消費量は、平成13(2001)年度の40.2kgをピークに減少傾向にあり、平成29(2017)年度には、24.4kgとなってしまいました。核家族化や単身・共働き世帯の増加などの家族形態の変化といった様々な要因も加わり、魚を知らない日本人が増えてきているのは確かなようです。
魚と疎遠になってしまいそうなここ日本において、日本初!一般向けの魚介の知識を問う検定として2010年に誕生した「日本さかな検定(愛称:ととけん)」は、 全国各地の豊かな魚食文化やおいしい食べ方など、 日本人の心と体を育んできた魚食の魅力を、 検定を通じて再発見し、 魚との“うまい”出合いを応援する取り組みです。
今回は日本さかな検定の協力で、3級(初級)の過去問題を出題します。
夏休みは「ととけん」にチャレンジしておさかな博士になろう!
※3級は小・中学生でも気軽にチャレンジできるように3級試験は難解な漢字にルビ表記を採用。
Q51 タイ消費マップ(第12回21年10月31日出題)
ある魚介の都道府県別の消費量をあらわしています。この魚介を選びなさい。
①カツオ
②サケ
③タイ
④タコ
2016年総務省家計調査をもとに作図
正解は次ページへ
【解答】③タイ
【解説】分布地図を見ると北部九州を筆頭に西日本で消費量が多く、東日本で消費量が少ない。東日本ではマグロやサケなど赤い身の魚の人気が高く、西日本ではブリやタイなど白身魚の人気が高い。白身魚を好む公家文化が西日本に残り、赤い身の魚を好む武士の伝統が東日本に残っているのでは、との説がある。2016年の1世帯あたりタイ消費量の全国平均は572㌘。消費量がもっとも多いのは佐賀県で年間2061㌘と全国平均の3.6倍。2位以下は熊本県、長崎県、福岡県、山口県の順で九州が上位に多い。一方、タイ消費量がもっとも少ないのは北海道で76㌘。これに群馬県、岩手県、山形県、宮城県と続いている。消費量が少ない東日本で例外的に秋田県の消費量が多いのは、男鹿半島がタイの好漁場で毎年鯛祭りが開かれるなどタイとつながりがあるためとみられる。一般に、タイの消費量が多いところはマグロの消費量が少なく、西のタイ、東のマグロといえそうだ。
日本でいちばん食べられている②サケの消費量は、北海道がトップ、青森県がこれに続く。①カツオは全国平均の5倍もの消費がある高知県がダントツの首位。④タコはミズダコの主産地、北海道が1位、たこ焼きの本場、大阪府がこれに次ぐ。
日本さかな検定(とと検定)とは
「さかなの国、ニッポンの検定」をコンセプトに、魚を学び、旬をおいしく食すための知識を競う検定。魚離れが近年加速度的に進んでいることを受け、魚への関心や知識を深めることで、世界に誇る日本の魚食文化の魅力の再発見につながることを願い、2010年に誕生。2021年に幕を閉じましたが、今年11月にオンライン受験で復活することが決定しました。
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