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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

【解説】緊張続くウクライナ情勢

ロシアが隣国のウクライナに攻め込むのではないかという緊張状態が続いています。そもそも、なぜロシアはウクライナに攻撃をしようとしているのでしょうか?
ウクライナとロシアの関係、そして北大西洋条約機構(NATO)について見てみましょう。(ニュースがわかる2022年3月号より)

 ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟などを警戒するロシアは加盟国の不拡大を求め、約10万人の軍隊をウクライナとの国境周辺に集めているとみられます。アメリカ、NATO側は「NATOの開かれた扉を閉ざすことはできない」と反発し、攻め込んだ場合はロシアに経済的な強い制裁(こらしめ)を行う考えを示しています。

  北大西洋条約機構(NATO)  アメリカ、カナダと、イギリスやフランスなど西ヨーロッパの国々計12カ国が1949年、ソビエト連邦(今のロシアとその周辺国)を中心とする東ヨーロッパの国々に対抗し、国の安全を守るために作った軍事組織。 本部はベルギー・ブリュッセルにあり、現在は計30カ国が加盟している。加盟国が武力攻撃を受けた場合、その攻撃がすべての加盟国に対するものと判断し、武力の使用などの必要な行動を取って加盟国を助けることにしている。

 両者の話し合いでは、国境付近の軍隊の引き揚げを強く求めるアメリカ・NATO側に対し、ロシアは歩み寄りが不十分なら「軍事的手段」を使うことになると警告しており、意見はまとまりませんでした。

昔はウクライナはロシアの一部だった?

 ウクライナはロシアと同じように昔はソビエト連邦の一部で、1991年にソビエト連邦の崩壊に伴い独立した国です。アメリカは1990年に「NATOが東ヨーロッパに拡がることはない」と約束しました。

 しかし、1999年からはポーランドやハンガリー、ルーマニアなどが次々に加盟したため、ロシアはNATOを信用しなくなりました。

 2014年にウクライナで、ヨーロッパやアメリカと親しい人たちが政権を取ると、ロシアは自分の国の海軍基地があるウクライナ国内のクリミア半島を一方的にロシアに組み入れてしまいました。

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