平和の番人 国連の80年【月刊ニュースがわかる4月号】

どれだけ掃除しても、ホコリが出てくるのはなぜ?【疑問氷解】

Q どれだけ掃除しても、ホコリが出てくるのはなぜですか(滋賀県大津市、小3)

繊維ボコリが7割 掃除は上から下へ

 A たしかに、どんなに掃除しても、どこからともなく出現し、気づいたら部屋の隅にたまっているホコリ。この憎きホコリについて、ダスキン(大阪府吹田市)訪販グループ広報担当の中谷洋子さんに聞きました。

 「ホコリとは、繊維ボコリ、人やペットの毛、食品クズ、ダニのフン・死がい、カビの胞子(カビが増えるためにばらまく細胞)など室内で発生するものや、土や砂ボコリ、花粉など外から持ち込まれるものなどが集まったものです」と中谷さんは説明します。

 特にホコリが出る場所で多いのは、衣服や布団など繊維製品が多く、いる時間の長い寝室や、衣服を脱いだり着たりすることの多い脱衣所。繊維ボコリが発生しやすく、ホコリがたまりやすい場所だと言えるそうです。同社が、住まいの中のホコリの成分について実施したモニター調査では、家族構成や立地などにより家庭ごとに異なりますが、約7割を繊維ボコリが占めているという結果も出たというので驚きです。

 ホコリの一種であり、家の中を舞う、1ミリメートル以下で目では見えにくい「ハウスダスト」は、人体に悪影響を及ぼす原因の一つです。ハウスダストの中にはアレルギーを引き起こす原因と言われているものが含まれているのです。「繊維ボコリは、ハウスダストの7割以上を占め、その他のホコリと結びついて、部屋中をふわりふわりと移動しています」

 ところで、ホコリはなぜ灰色をしているのでしょうか。「さまざまな色の衣類やタオルなどの繊維製品から出る繊維ボコリが混ざり合うことで、全体として灰色に見えているのです」

 ホコリの掃除の仕方を教えてもらいました。コツは二つあるといいます。一つめは、上から下へ掃除すること。ホコリは上から下へ落ちてきます。なので、掃除も高いところからスタートして、低いところで終わるのがポイントです。「もし、床を掃除した後に家具などを掃除したら、ホコリが床に落ちて、また床掃除をしなくてはいけないので、二度手間になります」

 二つめは起きた時と帰宅時に掃除をすることです。空気中に漂うホコリは、空気の動きが少ない時間帯にゆっくりと時間をかけて床や棚などにたまります。そのため、朝起きてすぐ、もしくは帰宅してすぐに掃除すると、効率的にホコリを取り除くことができるそうです。「掃除中にホコリが舞い上がらない清掃用具を選ぶことも、ホコリを減らすための大切なポイントです」と中谷さんは教えてくれました。【毎日小学生新聞編集部・長尾真希子】

(毎日小学生新聞2022年11月21日掲載)

本尊の盧舎那仏坐像のほこりを払う僧侶たち=奈良市の唐招提寺で2024年12月15日、西村剛撮影

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