平和の番人 国連の80年【月刊ニュースがわかる4月号】

高専に行こう! 熊本高専編

高等専門学校。タイトルにある「高専」の正式名称です。ロボコンなどでその名前を聞いたことがあるかもしれません。
高専は高等学校と同じく、中学校を卒業したひとが入学することができ、入学後は5年一貫教育(商船学科は5年6カ月)。一般科目と専門科目をバランスよく配置した教育課程により、エンジニアに必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身につけることができます。近年はこの高専のカリキュラムが海を越え「KOSEN」として東南アジアを中心に注目されています。「高専に行こう!」では、実際に全国各地の高専の魅力や特徴などをレポートします。今回は熊本高専を紹介!

 熊本高等専門学校(熊本高専)は、電子情報系の3学科がある熊本キャンパスと融合・複合工学系の3学科がある八代キャンパスの計6学科、専攻科として2つの専攻を設置し、全国的にもユニークな学科構成です。5年間(専攻科を含めると7年間)一貫して専門性の高い高等教育を実施しています。
 高専は、日本の工業を支える人材を育成するために設けられた日本独自の高等教育機関ですが、その教育は海外でも評価され、今やモンゴルやタイにも高専が設立されています。日本でも卒業生の活躍のおかげで、近年、益々評価が高くなっており、様々な要請を受けています。

アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト2024九州沖縄地区大会でワンツーフィニッシュした熊本・八代両キャンパスの学生たち(令和6年10月13日撮影・熊本高専提供)


 その一つが、世界最大の半導体受託製造企業であるタイワン・セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(略称:TSMC)の熊本進出を皮切りに始まった半導体産業復活のための人材育成です。熊本高専は、その教育に関して全国の高専を主導する役目を期待され、2022年から全学科の学生が半導体に関する導入科目を受講できる体制を整えると共に、必要な教育を全国の高専に展開できるような活動を行っています。
 二つ目はスタートアップ人材の育成です。本校では「熊本高専ファーストペンギンズプロジェクト」と名付けてアントレプレナーシップ教育を開始しています。チャレンジ精神の涵養が最大の目的であり、カリキュラムの改編に合わせ低学年時には全学生に導入教育を行うと共に、学生に様々な機会を提供しようと計画しています。
 三つ目は情報系人材の育成です。熊本キャンパスの情報系3学科の定員増と八代キャンパスの3学科へ情報コースの設置及びカリキュラム改編を2026年4月に予定し、現在、その準備を行っています。

 本校の卒業生は、地元に限らず首都圏、近畿圏等の企業にも数多く就職し活躍しています。卒業後に大学へ編入する学生も多く、そのほとんどが国立大学へ編入しています。
 各キャンパスに様々な部や同好会があり、全国高専大会での優勝などを目指し、活発な部活動をしています。1〜3年生は高校総体等にも参加可能です。また、各種コンテストにも積極的に応募し、優秀な成績を収めています。

【熊本高専への交通アクセス】
主要駅等からの距離・公共交通機関利用時の所要時間
〇熊本キャンパス
・JR熊本駅から約12㎞ 約50分
・JR上熊本駅から約8㎞ 約40分
・熊本空港から約19㎞ 約90分
〇八代キャンパス
・JR新八代駅から約7㎞ 約25分
・JR八代駅から約5㎞ 約20分
・熊本空港から約58㎞ 約70分