【ニュースがわかる2024年11月号】巻頭特集は世界が注目! アメリカ大統領選

どうして白髪になるの?  【疑問氷解】

Q どうして白髪ができるのですか(鳥取市、小3)

老化現象の一つ、遺伝も要因

 A 白髪は、老化現象のひとつですが、大阪モード学園教務部主事の小澤克明さんは「毛はつくりだされた直後は色がありません。つまり、もともとはどの毛も白髪なのです」と話します。

 髪の毛は、根元の奥にある球根状の毛球と呼ばれる部分でつくられています。血液から毛の栄養を取り込む毛乳頭、髪の毛のもとになる毛母細胞、髪の色をつくるメラノサイトなどでできています。毛が栄養を吸収して成長する際に、メラノサイトがメラニンという色素をつくりだし、これが髪の内部に取り込まれることで、黒くなるのです。

 メラニン色素には、黒褐色系のユーメラニンと黄赤色系のフェオメラニンがあり、二つの色素の含有量によって、色が決まります。日本人は、ユーメラニンが多いため、黒髪になります。フェオメラニンが多いと、褐色から茶色、金色になります。毛は表皮が変化したもので、メラニンには、有害な紫外線から頭部や体を守る働きがあります。白髪は、このメラニンを全く含まない毛なのです。

 原因はまだ特定されていませんが、最近の研究では、メラノサイトの遺伝子が損傷することで、メラニンがつくられず、白髪になるのではないかと言われています。年とともに、遺伝子の損傷が蓄積し、白髪が増えるのです。30歳前後までの若白髪は、遺伝の要因が強いと言われています。ショックで一夜にして髪が真っ白になったという話があるように、ストレスで白髪になることもあります。ただ、白くなるのは新しく生えてくる髪だけで、すでにある黒い髪が一瞬で白くなることはありません。栄養バランスの悪い食事や喫煙、睡眠不足で頭皮の環境が悪化すると、白髪になることもあります。

 白髪は抜いてしまうと、毛球にダメージを与えてしまい、髪の毛自体が生えなくなってしまいます。白髪を見つけたら、根元からはさみで切ることが大事です。

 現在、遺伝子の損傷を防ぐ研究が進められています。小澤さんは小学生からの白髪防止として(1)紫外線の強い日は帽子をかぶる(2)シャンプーでは指の腹を使って、ていねいに洗う(3)よく寝て、よく食べて--とアドバイスしています。

【毎日小学生新聞編集部】

         (「疑問氷解 Vol.8(毎日小学生新聞)」より)