2025年は、日本の元号では令和7年ですが、一方で「昭和100年」でもあります。でも、平成生まれの人にとって、昭和はよく知らない昔の時代。どんな出来事があった? 令和の今と、どこが、どう違う?(「Newsがわかる2025年3月号」より)
めまぐるしく動いた時代
昭和のはじめ、日本は、中国を支配しようと兵隊を送り、戦争を始めます。日本の動きは、多くの国から厳しく批判されました。対立が高まると、アジア・太平洋の広い地域に兵隊を運び、アメリカやイギリスなどを敵にした、大きな戦争に乗り出しました。
しかし1945年(昭和20年)8月、敗戦に至ります。戦後は、アメリカなどに一時、国を占領される経験もしましたが、新しい憲法をつくるなど再建に努め、1960年代にはアメリカに次いで世界で2番目の経済力を持つまでになります。昭和は、多くの犠牲者を出した戦争と敗戦、めざましい経済成長と、めまぐるしく動いた時代でした。
元号を使う国は日本だけ
昭和のように、時代に付けられた名前を「元号」と言います。
日本が元号を使い始めたのは645年の「大化」から。かつては中国や韓国でも使っていましたが、今も使っているのは日本だけです。
「大化」から「令和」まで使われた元号は248。江戸時代までは、地震などが起きると元号を改めていましたが、明治以降は、天皇一代ごとに元号を決める「一世一元制」が採用されています。

ちょうど100歳
ラジオ放送
1925年(大正14年)3月に始まる。その翌年、日本放送協会(NHK)が設立された。10万人を超える犠牲者を出した関東大震災は、ラジオ放送が始まる2年前の1923年(大正12年)9月1日に起きた。正確な情報を広く、速く伝える方法がなかったため、誤った情報で命を落とした人は多かった。

機器類を制御するラジオ東京の「副調整室」=1954年(昭和29年)
山手線の環状運転
日本の首都、東京の中心を走る山手線で1925年、神田駅と上野駅がつながった。輪のようにつながった線路を電車が走る、現在の環状運転が始まる。今は「ウグイス色」の車体だが、当時は「ぶどう色」と呼ばれる茶色だった。

昔の山手線の車両=1913年(大正2年)
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