新聞、ニュースでよく見聞きする時事問題やワードを「ニュース時事能力検定」がわかりやすく解説します。
議院内閣制をとる日本の政策決定過程においては、与党内の「事前審査」が重視されている。事前審査は、政府が法案などを正式に決める前に与党内で議論し、党内の合意を得ることだ。党所属の国会議員の意見が取り入れられ、全会一致の了承を得たものが政府から国会に提出されるため、国会審議の迅速化が期待される。一方、与党議員は国会で議論することが少なく、「国会審議が退屈なセレモニーと化している」との指摘もある。
また、与野党間の「国対政治」も国会審議の形骸化につながっていると指摘される。法案は与党内の事前審査を経ているため、国会審議で野党の意見が採用される場面は限られる。このため野党は、法案の廃案を狙って日程闘争に持ち込むことが多い(*)。
そこで、与党と野党第1党の国会対策委員長が協議し、野党の質問時間を多くして見せ場をつくり、野党は代わりに円満な採決に協力するというケースがしばしばみられる。
事前審査も国対政治も半世紀以上続く慣習だが、多くの場合は密室で行われ、記録は残されない。緊張感に欠け、政策論を置き去りにしているとの批判があり、政策決定過程のあり方が問われている。
*国会に提出された法案は、その会期中に議決されなければ基本的に廃案になる。
(「2024年版ニュース検定 公式テキスト「時事力」発展編(1・2・準2級対応)」より)
次回は8月23日に配信予定です。
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ニュース検定とは?
「ニュース検定」は1級~5級まで6段階あります。1・2・準2級は大学生・一般が主な対象ですが、もちろん中高生でも受検できます。
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検定の出題は、50分で各級45問。1級は四肢択一(選択肢から一つを選ぶ方式)と記述で、2・準2級はすべて四肢択一。2~5級の検定問題の約6割は、公式テキスト・問題集から出題されます。
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