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日本の防衛、そして周辺地域の安定を図るうえで重要な役割を果たしている在日米軍。ただ、その基地負担は沖縄県に偏っている。
米軍占領下で基地が拡大
日米安全保障条約に基づく在日米軍基地は、全国に76カ所あり、うち 沖縄には31カ所ある(2023年1月時点、以下同じ)。面積では基地の約70%が、国土面積の0.6%しかない沖縄に集中している。第二次世界大戦末期の沖縄戦を経て米軍に占領され、強引な手法で基地建設が進められた歴史があるためだ。
1972年に沖縄が米国から返還され、本土に復帰した後も、米軍は駐留を続けている。朝鮮半島、台湾海峡、南シナ海のいずれにも近く、日米両政府が戦略上、重要な拠点と位置付けている事情がある。
周辺住民は、基地関連の騒音や事故に悩まされてきた。米兵らの犯罪を巡り、日米地位協定の課題も指摘される。基地負担の軽減が求められるが、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の問題は長期化している。
対立続く国と県
普天間飛行場は周囲に住宅や学校などが密集し、「世界一危険な飛行場」とも呼ばれる。日米両政府は1996年、返還することで合意した。前年に起きた米兵による小学生女児暴行事件で、県民の反基地感情が高まったことが背景にある。
返還の条件となったのが飛行場の「県内移設」で、後に日本政府は移転先を名護市辺野古に決めた。移設のため辺野古沿岸部の埋め立て工事を2018年に始めたが、現地で軟弱地盤が見つかり、工期が大幅に延長。移設は早くても2030年代半ばにずれ込むことになった。
一方、県は「県内移設では負担軽減にならない。県外、国外へ移転すべきだ」と主張し、工事の中止を求めている。国は「辺野古移設が唯一の解決策だ」との立場で、両者の主張は平行線をたどる。対立は法廷闘争に発展し、地盤改良工事の設計変更を巡っては、沖縄県に代わって国が変更を承認(代執行)する異例の事態となった。
(「2024年版ニュース検定 公式テキスト「時事力」発展編(1・2・準2級対応)」より)
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