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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

難民ってなんだろう

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会には、たくさんの国・地域の選手団とともに、「難民選手団」と呼ばれるチームが出場しました。

 メンバーは、紛争や迫害によって、自分の国を逃れた難民アスリートたちです。「難民」という言葉の意味を、もう少しわかりやすく説明しましょう。

 難民とは、「人種、宗教、国籍、政治的意見の対立などが理由で、自分の国にいると迫害を受けたり、迫害を受ける恐れがあるために、ほかの国に逃れた人々」のことを指します。難民となる前は、普通に家や仕事、学校があり、家族や友達と過ごしていた人々です。自分の命を守るために、住み慣れた所から脱出しなければならないなんて、とても辛く大変なことです。

 紛争や迫害、暴力、人権侵害などにより、ふるさとから避難せざるをえなかった人は、2020年末時点で世界に約8240万人います。これは世界の人口の1%にあたり、世界の95人に1人が家を追われているということです。しかもその人数は、年々増え続けています。

 一番良い解決方法は、平和になった自分の国に帰ることですが、紛争や人権侵害をなくすことは簡単ではありません。また、難民を受け入れている国はたくさんあっても、無限に受け入れられるわけではありません。受け入れられても、住む場所や食料、教育、仕事、医療などたくさんの問題があり、すぐに安心で平和な毎日が過ごせるわけではないのです。

 わずかな人数ですが日本も難民を受け入れていて、決して難民と無関係ではありません。国際的な課題である難民問題に対して、自分たちにできることはないのか、一人ひとりが支援の方法を考えることが重要です。(編集部)