新聞、ニュースでよく見聞きする時事問題やワードを「ニュース時事能力検定」がわかりやすく解説します。
どのような行為が犯罪で、罪を犯すとどのような刑罰が科されるのか――。これらは法律で定められています。そこには市民の考え方が反映され、時代とともに変わることがあります。
例えば、刑法(犯罪と刑罰を定める代表的な法律)には性犯罪に関する規定があります。この規定は2017年と2023年、大幅に改正されました。明治時代に刑法ができて以来のことです。
改正前は、被害者が恐怖などから「嫌だ」という意思をはっきり示せなかった場合などに、加害者が罪に問われないことがありました。また、男性の被害者は対象外でした。
しかし、「法律の規定が犯罪の実態に合っておらず、処罰されるべき行為が処罰されない」と問題視されていました。
そこで2度の改正を経て、「同意のない性的行為は犯罪だ」と明確にされ、刑罰も厳しくなりました。また、男性の被害が認められるなど、性別による扱いの差もなくなりました。さらに、18歳未満の子どもに対する保護者の行為や、夫婦間でも犯罪が成立すると明記されました。
罪名がかつての「強姦罪」から現在の「不同意性交等罪」に変わったことにも、「何を犯罪とするか」という社会の意識の変化が表れています。
(「2024年度版ニュース検定 公式テキスト&問題集「時事力」基礎編(3・4級対応)」より)
次回は4月24日に配信予定です。
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ニュース検定とは?
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「ニュース時事能力検定試験」(略称、ニュース検定)は、ニュースを読み解く力を多くの人に身につけてほしいと、日本ニュース時事能力検定協会(養老孟司・名誉会長)や毎日教育総合研究所、各地の新聞社が共催して、年3回実施しています。
1級~5級まで6段階ありますが、4級は主に中学生以上、3級は中高校生以上が対象です。3・4級対応の『ニュース検定 公式テキスト&問題集「時事力」基礎編(3・4級対応)』は、「脱炭素社会への道のり」「社会保障のこれから」「核兵器と向き合う世界」など22のテーマについて、グラフや図解を多用して最新ニュースをわかりやすく解説しています。また、「時事力Basic」でそもそもの基礎知識を身につけることができます。
4級と3級の検定問題は四つの選択肢から一つを選ぶ方式。各45問の約6割はこの本から出題されます。
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