【ニュースがわかる2024年8月号】巻頭特集はテーマから探す! ミラクル自由研究

なぜ方言があるの?【疑問氷解】

Q なぜ方言があるの?

友達と話す気取らない言葉

 A 仲間同士だけで通じる言葉をつくったり、使った経験はありませんか。方言を研究している奈良大学教授の真田信治さんは「方言の多くは、子どもが遊びの中で創造したものと考えます」と話します。

 真田さんは、方言で異なる言葉が、子どもの遊びの対象に多いことに注目します。たとえば「すみれ」(下図参照)。もともとは、奈良時代、花の形が墨を入れる墨壺に似ていることからスミイレからスミレになったと考えられています。

 西日本を中心に、全国的には「スモートリグサ」という語が使われています。「本来、子どもが花の首を互いにからませて引き合って争う遊びを相撲にたとえたことから命名された」と真田さんはいいます。ジジババ、ジロタロも、爺対婆、次郎対太郎の連想で、やはり互いに争って遊ぶことに由来しているといいます。

 方言というと、最近流行した「じぇじぇじぇ」など、めずらしい言葉を思い浮かべますが、真田さんは「友達と話す気取らない言葉はすべて方言。学校など公の場で使うのが標準語」と定義します。どの地域でも方言と標準語が入り交じった話し方をしています。友達を持たない子ほど標準語を話す傾向があるといいます。方言は、仲間意識を強めるものなのです。

 明治時代、政府が国家として日本をひとつにまとめるうえで着目したのが、言葉でした。江戸時代までは藩ごとのお国言葉がありましたが、国の統一を象徴するために、東京の中流階級が使う言葉を「標準語」と定めたのです。

 標準語が浸透した結果、逆に「地域の方言を大切にしよう」という機運も高まりました。メディアが発達し、移動が頻繁になったいま、地域の方言は、失われつつあります。一方、最近では「リア充」「釣り」などのインターネット用語がたくさん作られています。真田さんは「今後は、地域ではなく、同じ社会集団を基盤とした仲間の間で方言が増えていくでしょう」と話しています。【毎日小学生新聞編集部】

              (「疑問氷解 Vol.7(毎日小学生新聞)」より)