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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

株式の仕組みを教えてください。【疑問氷解】

Q 株式の仕組みを教えてください。(神奈川県横浜市、中1)

お金を集めるため、会社が発行する

 A ニュースでも株式の話はよく出てきます。株式の取引市場「東京証券取引所」の金融リテラシーサポート部、鈴木深さんと、町田貴子さんに教えてもらいました。

 皆さんの身の回りにあるものの多くは「株式会社」が作っています。商品を開発したり、会社を運営したりするには、たくさんのお金が必要になりますよね。

 株式会社がお金を用意するには、ためていたお金を使う、銀行からお金を借りるなどがありますが、会社の事業を理解してもらい、多くの人にお金の協力をしてもらう「投資」と言う手段もあります。

 株式会社が、投資してくれた相手に渡すのが株式です。集めたお金は、借金とはちがい、返済する必要がないため、工場を建てたり研究をしたり、長期間使うことができます。

 一方、株式を所有する人は、「株主」と言われ、会社の所有者の一人として、さまざまな権利を持つことになります。例えば、持っている株式の数に応じて、会社の利益の一部を「配当金」としてもらうことができます。また、原則年に1回開催される「株主総会」に出席し、会社の経営などに意見を言えます。会社のモノやサービスをもらえたり、安く買えたりする株主優待をしている会社もあります。

 また株主は、その株式を欲しい人に売って、お金に換えることもできます。こうした株式の売買をする場所が「証券取引所」です。証券取引所は全国に4か所あり、その中でも最も大きいのが「東京証券取引所」です。

 証券取引所で売買できる株式は、正しい経営をして、情報を適切に公開できるなどの審査に合格した一部の会社のものだけです。合格した会社を「上場企業」と言います。

 株式の売買をしたい人は、証券会社を通じて証券取引所に注文を出します。取引所には、さまざまな買い注文、売り注文が寄せられます。ある株式を「売りたい」という人より、「買いたい」という人が多ければ、株価は上がるなど、株価は日々変わります。外国の為替、政治、天気なども日本の会社の株価に影響します。

 町田さんは「皆さんの行動も株価に影響を与えています。まず身近な会社の株価を気にとめてみてください」と話しています。【毎日小学生新聞編集部】(「疑問氷解 Vol.6(毎日小学生新聞)」より)