新聞、ニュースでよく見聞きする時事問題やワードを「ニュース時事能力検定」がわかりやすく解説します。
欧米を中心に、多くの国で「人権デューデリジェンス(人権DD)」 の取り組みが進んでいます。人権DDとは、サプライチェーン(供給網)全体における人権侵害の有無について、企業が調査、対処することを意味します。
こうした動きのきっかけとなったのは、2011年に開かれた国連人権理事会で、「ビジネスと人権に関する指導原則 」が全会一致で承認されたことです。その後「ESG投資」が世界の潮流となったほか、中国・新疆ウイグル自治区の人権問題が世界的に注目されたことを背景に、各国の企業は人権問題への対応を加速させています。
日本でも経済産業省が2022年9月、「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」を公表しました。「企業は、その人権尊重責任を果たすため、人権方針の策定、人権DDの実施、自社が人権への負の影響を引き起こしまたは助長している場合における救済が求められる」と規定しています。しかし、ガイドラインに法的拘束力はなく、従わなくても罰則はありません。
金融庁と東京証券取引所が2021年に改定した「コーポレートガバナンス・コード」でも、人権尊重を求める規定を新たに盛り込みましたが、こちらも強制力はありません(ただし、従わない場合は投資家への説明が必要)。こうしたことが日本の企業の対応を遅らせる要因だとして、人権DDの法制化を求める声もあります。
(「2023年版ニュース検定 公式テキスト「時事力」発展編(1・2・準2級対応)」より)
次回は3月8日に配信予定です。
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ニュース検定とは?
「ニュース検定」は1級~5級まで6段階あります。1・2・準2級は大学生・一般が主な対象ですが、もちろん中高生でも受検できます。
『ニュース検定 公式テキスト「時事力」発展編(1・2・準2級対応)』は、「脱炭素社会への道のり」「社会保障のこれから」「米国と国際秩序の行方」など27のテーマについて、グラフや図解を多用して最新ニュースをわかりやすく解説しています。
検定の出題は、50分で各級45問。1級は四肢択一(選択肢から一つを選ぶ方式)と記述で、2・準2級はすべて四肢択一。2~5級の検定問題の約6割は、公式テキスト・問題集から出題されます。
次回の検定はいつなの?
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