新聞、ニュースでよく見聞きする時事問題やワードを「ニュース時事能力検定」がわかりやすく解説します。
ゲノムとは、生物の細胞の中にある全ての遺伝情報のことです。その情報を伝える遺伝子を切ったり、 外から入れたりして狙った通りの性質や機能を持たせる技術を「ゲノム編集」といいます。効率的な手法を開発したフランスとアメリカの研究者が2020年にノーベル化学賞を受賞し、近年、さまざまな分野で応用されています。
トマト、マダイ 効率よく品種改良
2021年、国内で初めてゲノム編集で品種改良された食品の販売が始まりました。血圧を下げる成分を多く含むようにしたトマトや、肉厚にしたマダイなどです。
一般的に10年ほどかかった品種改良は、ゲノム編集によって数年で可能になりました。特定の遺伝子を切断して機能を失わせるだけなら、国が安全性の審査を行わず、届け出による販売を認めています。
人に関する研究 倫理面で課題も
医療分野でも、ゲノム編集で異常な遺伝子をピンポイントで取り除く「遺伝子治療」によって、がんや難病の感謝の治療ができるようになることが期待されています。
ただし人に関わる研究では、安全面や倫理面の課題も浮上しています。中国ではヒトの受精卵にゲノム編集を施して遺伝子を改変し、赤ちゃんを誕生させた例があります。こうした技術は親が望む外見や能力を持つ「デザイナーベビー」の誕生につながりかねません。 日本政府はヒト受精卵のゲノム編集について、病気の原因解明や治療法開発の目的に限り認める方針です。
(「2023年度版ニュース検定 公式テキスト&問題集「時事力」基礎編(3・4級対応)」より)
次回は2月28日に配信予定です。
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ニュース検定とは?
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「ニュース時事能力検定試験」(略称、ニュース検定)は、ニュースを読み解く力を多くの人に身につけてほしいと、日本ニュース時事能力検定協会(養老孟司・名誉会長)や毎日教育総合研究所、各地の新聞社が共催して、年3回実施しています。
1級~5級まで6段階ありますが、4級は主に中学生以上、3級は中高校生以上が対象です。3・4級対応の『公式テキスト&問題集「時事力」基礎編』は、「脱炭素社会への道のり」「社会保障のこれから」「核兵器と向き合う世界」など22のテーマについて、グラフや図解を多用して最新ニュースをわかりやすく解説しています。また、「時事力Basic」でそもそもの基礎知識を身につけることができます。
4級と3級の検定問題は四つの選択肢から一つを選ぶ方式。各45問の約6割はこの本から出題されます。
次回の検定はいつなの?
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