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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

チョコレートの原料、カカオの秘密

チョコレートは何からできているか知っていますか? そう、カカオです。しかし、チョコレートはよく食べるけど、カカオのことはあまり知らないのではないでしょうか。96年前からチョコレートを作っている食品大手「明治」に教えてもらいました!(ニュースがわかる2022年2月号より)

不思議がいっぱい! カカオの実

チョコレートの原料であるカカオは、高温多湿の熱帯地域で育ちます。赤道を挟んで北緯20度から南緯20度までがカカオの栽培に適している地域で、「カカオベルト」と呼ばれています。しかし、この範囲内ならどこでも育つというわけではなく、高度30~300メートル、年間平均気温が約27度で1年を通して気温差が小さいこと、年間降雨量は最低で1000ミリ以上といった条件がそろっている必要があり、生育地域は限定されているのです。


 もっともカカオを栽培しているのはアフリカで、世界の生産量の76%をつくっています。カカオは、幹に直接実をつける幹生果という果物です。幹になれば、動物は木の枝にまで登らなくても簡単に取ることができます。そうすると、いろいろな動物がカカオの実を食べて、あちこちにフンをすることで、種を遠くに運べるのです。これは熱帯植物に多く見られる特徴で、種を絶やさないためだといいます。

 カカオは種をまいてから実が収穫できるようになるまでに3〜4年かかります。また、直射日光が苦手なため、カカオの木の周りには、カカオより背の高いバナナの木などを植えて、カカオが日陰になるようにして栽培します。収穫した実からは豆を取り出し発酵させます。この発酵こそが重要な工程です。

 日本がもっともカカオを輸入しているガーナから、現地の生産者が手間と時間をかけて育てたカカオ豆が約2カ月かけて船で運ばれてきます。それを明治のチョコレート工場で豆の香りや風味を生かしながら、独自の工夫を加え、ていねいにおいしいチョコレートにしているのです。

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