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COPと地球温暖化【ニュース知りたいんジャー】

国際連合(国連)の気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)が昨年11~12月、中東の国、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開かれました。COPは地球温暖化対策を話し合う会議で、毎年開催されています(新型コロナウイルス流行で延期された2020年を除く)。今回は何が決まったのでしょうか。会議のポイントや、温暖化の仕組み、影響などを紹介します。【野田武】


 ◇どんな会議なの?


 世界全体で地球温暖化対策に取り組んでいく「国連気候変動枠組み条約」の会議です。条約は1992年に採択され、95年からCOPが開かれています。
 COPとは、英語の「Conference Of the Parties(締約国会議の略)」で、国際ルールに参加する国が集まって議論する会議という意味です。COP28は、28回目の会議を示します。今年はCOP29が、アゼルバイジャンで11月に開かれる予定です。
 条約には198の国や地域が参加しており、会議には各国・地域の政府の交渉担当者らが集まっています。日本からは環境省、外務省、経済産業省などの担当者が参加します。このほか、環境問題に取り組む非政府組織(NGO)や自治体、企業も参加し、話し合いの様子を聞くことができます。会場の近くでは、NGOの人たちが集まって意見を主張する集会(デモ)も開かれます。


 フランスのパリで2015年に開かれたCOP21では、20年以降の温室効果ガスの排出削減を目指して、「パリ協定」が採択されました。産業革命前からの世界的な平均気温の上昇を2度未満、できれば1・5度に抑えることを目指して、すべての国が削減目標をつくるものです。21年のCOP26では、「気温上昇を1・5度に抑える」という目標が、パリ協定よりも明確に文書で定められました。


 ◇今回は何が決まった?


 COP28では、石油や石炭、天然ガスなど温室効果ガスを出すすべての化石燃料からの脱却を、「この10年で加速させる」ことに合意しました。「脱却」とは捨て去ることを意味する言葉で、「廃止」と「削減」の中間の言い方ですが、「脱化石燃料」で世界の考えが一致したのは初めてです。この一致は「化石燃料時代の終わりの始まり」と言われています。

閉鎖されたコマティ石炭火力発電所 南アフリカ


 また、世界の平均気温を産業革命前から1・5度の上昇に抑える目標の実現に向けて、世界の温室効果ガス排出量を2035年までに19年より60%減らすことが必要だという考えでも一致しました。
 温室効果ガスには、いくつかの種類がありますが、主なものが二酸化炭素です。もともと空気中にわずかに含まれていて、化学の記号を使ってCO2と書かれます。CO2は化石燃料を燃やすと発生します。このため化石燃料を使った火力発電では、温室効果ガスが排出されます。


 ◇どんな影響が出ている?


 世界的に気温が上がり続けています。国連の世界気象機関は1月12日、2023年の世界の平均気温は、観測史上最も高かったと発表しました。気温の上昇はさまざまな悪影響を与えています。
 例えば、たくさんの雨が限られた場所で降り続けて、土砂崩れなどにつながる「集中豪雨」が発生しやすくなっています。気象庁気象研究所(茨城県つくば市)が1976年から2020年の発生状況を調べたところ、20年の発生割合は、1976年の2・2倍に増えていました。

九州北部の大雨被害 福岡県久留米市の冠水


 一方、感染症の流行地域の広がりも心配されています。その一つ、「デング熱」のウイルスを運ぶ虫の一つは、ヒトスジシマカという蚊です。国立感染症研究所(東京都)によると、1年の平均気温が11度以上の地域で生息できるとされ、この地域が広がっています。50年ごろは栃木県より南でしたが、2000年ごろには宮城・山形県より南になり、16年に青森市でも生息が確認されました。


 ◇温度上がる仕組みは?


 地球は、太陽からやってくる電磁波のエネルギーによって暖められています。そして、暖められた地球からも熱が出て、地球を覆っている大気が暖められます。この時に大気で熱を吸収しているのが「温室効果ガス」で、吸収されなかった熱は宇宙へ放出されるなどしています。このように地球全体では、外から入ってくる熱と、出て行く熱の量のバランスがとれています。バランスがとれているから、地球は人間や動物が生きていくのにちょうどよい温度が保たれているのです。
 ところが、温室効果ガスが増えると、大気で吸収される熱が増えてしまい、地球への熱の出入りのバランスが崩れていきます。大気で吸収される熱が増えると、地球の温度も上がっていってしまいます。こうした現象のことを地球温暖化と呼んでいます。


 ◇必要な対策を教えて


 化石燃料をできるだけ使わず、炭素を含む二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを出さないようにするため、さまざまな対策や活動が必要です。こうした取り組みは「脱炭素化」と呼ばれます。近年、世界中の国や企業など、さまざまなところで動きが進んでいます。
 身近なところでは、ペットボトル入りの飲み物や、買い物用のポリ袋の利用を少なくすることが挙げられます。ペットボトルやポリ袋はプラスチックでできており、その原料である石油は化石燃料です。ペットボトルやポリ袋の利用を控えれば、化石燃料の使用を減らすことにつながります。
 また、車の利用を控えて、たくさんの人を一度に運べる電車やバスを使うことも、エネルギーの節約になるので、温室効果ガスの抑制につながります。(2024年01月31日毎日小学生新聞より)