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【ニュースがわかる2024年6月号】巻頭特集は地震大国ニッポン 被害を減らすために

肩がこらなくなるには【疑問氷解】

Q いつも父と母の肩をもんでいます。どうすれば、肩がこらなくなりますか。(東京都・小4)

肩もみ、睡眠、ストレッチで

 A この質問を寄せてくれた読者は、握力が強く、両親の肩をもむと、両親が「気持ちがよい」と喜んでくれるそうです。優しいですね。東京女子医科大学東医療センターの整形外科・リウマチ科の神戸克明先生に聞きました。

 肩こりは、首の両脇から肩にかけて余計な力が入り、筋肉が縮むために起こります。肩こりになる要因は主に三つあります。(1)睡眠時間が短い(2)腰が悪い(3)視力が悪い――です。これらを改善すれば、かなりの回復が期待できます。

 (1)睡眠時間について

 睡眠中、筋肉には酸素が運ばれ、疲れや痛みを回復させます。肩の筋肉はとても大きいので、回復には十分な睡眠時間が必要です。

 同センターの調べでは、平均睡眠時間が6時間以下だと肩こりは悪化しますが、6時間半以上では症状は半減します。ただし、8時間以上寝ると、腰に負担がかかり逆効果です。

 (2)腰について

 人間の頭は平均5、6キログラムの重さで、背骨から骨盤・腹筋(腰)にかけての骨や筋肉が支えています。土台となる腰が弱いと、背骨の負担が大きくなり、それを補おうとして肩の筋肉に力が入ります。腹筋をきたえると腰が安定し、肩こりが改善されます。

 (3)視力について

 目が悪いと、物をよく見ようとして姿勢が前かがみになります。その時、頭の重さを支えようと、肩の筋肉に力が入ります。神戸先生は「中学生くらいから視力が悪くなる子どもが増えます。みなさんも今から注意して」とアドバイスします。

 肩をもむ・たたく、入浴する、湿布するなどをしても数時間でもとに戻りますが、2時間以内に眠り、十分な睡眠をとれば効果が上がります。肩をたたくと筋肉が傷つくので、もむ方がおすすめです。

 最も回復が見込めるのは、自分でできるストレッチです(上の図)。「でも、子どもが親の肩をもむのをスキンシップと考えれば、いいものですよね」と、神戸先生は話しています。【毎日小学生新聞編集部】

             (「疑問氷解 Vol.7(毎日小学生新聞)」より)