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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

大相撲のお茶屋っていったい何なの?【大相撲中継キッズ】

国技と言われ、日本の伝統文化でもある相撲。1500年以上前から続く相撲の魅力や素朴な疑問を、「大相撲中継」の編集長である北出幸一さんが答えてくれる「教えて編集長!」。今回のキーワードは「お茶屋」です。

Q 編集長、大相撲のお茶屋っていったい何なの?

A 東京・両国の国技館で、大相撲を枡席で観戦するお客さんのお世話するところだよ。正式には相撲案内所といわれて、国技館に20件あるよ。お茶屋は江戸時代に始まって、蔵前から両国に国技館が移るときも一緒に移って大相撲と共に長い歴史を歩み続けているんだ。コロナ禍になってからは、しばらくお茶屋が開かれていなかったんだが、2022年の夏場所から再開したよ。

Q お茶屋は国技館の中にあるのかな?

A 国技館の正門から左手にある入り口を入ると、お茶屋が両脇にずらりと並んでいて通称「茶屋通り」と呼ばれている場所があるんだ。東京・浅草の浅草寺の仲見世のような風情があって、それぞれのお茶屋の屋号を染め抜いたのれんの上に桜や藤など季節の造花が飾ってある。よく「国技館に入ればそこは江戸時代」と言われるけれど、こうしたお茶屋の様子を見ると、確かに「江戸時代に来たかな」というような感じがするよ。

Q 編集長、お茶屋はどんなサービスをするの?

A お茶屋の店先で待機している出方さんと呼ばれる粋な裁着袴姿の男性が、お客さんが来るとチケットの座席番号を確認して一階の枡席に案内するんだ。初めて大相撲を観戦する人には丁寧に国技館の中を説明しながら、席まで案内しているよ。大きな袋に入ったおみやげを運び、館内の売店まで行かなくても注文を聞きに来て、追加の飲み物を席まで持って来てくれるよ。出方さんの年齢はさまざまで、年三回の国技館での本場所中はお茶屋と契約して専属で働くけれど、相撲がないときは農業や自営業などの仕事を持っている人が多いんだ。

Q お茶屋を利用する場合は、どうすればいいの?

A 国技館サービス株式会社の公式サイトにはチケット購入から事前準備、国技館到着と項目を分けてイラスト付きで説明があるよ。初めての人にもお茶屋の利用方法が分かりやすく書いてあるんだ。夏場所から枡席のSやAが通常の四人利用に戻されたよ。コロナ禍が収束して「茶屋通り」ににぎわいが戻るといいね。

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