私たちのまわりには、「病原体」といわれる病気の原因になるウイルスや細菌が存在しています。
病原体が人の体の中に入って増え、発熱などの良くない症状が出る状態を「感染症」といい、ひどい場合は命を落としてしまうこともあります。その病原体と戦う力が「免疫」です。人には、外から侵入してきた病原体を見つけ出し、体の中から取り除こうと戦って自分の体を守る仕組みがあるのです。
免疫には、生まれつき持っている免疫のほか、生まれてから今までの間に、病原体などと接することにより作られる免疫があります。「一度かかった感染症には、2回かからない」と言われるのは、その感染症の原因となった病原体に対する免疫のはたらきが強くなるからです。絶対にかからないというわけではありませんが、かかりにくくなったり、かかっても症状が軽くなったりします。
同じ病気には2回かからないという体の仕組みを使って、免疫をつけたり、免疫を強めるために行うのがワクチン接種です。「ワクチン」は、ウイルスや細菌の毒を弱めたり毒をなくした安全な状態のもので、感染や症状が出ることを予防するために接種します。いま世界中でコロナワクチンの接種が進んでいます。新型コロナウイルス感染症の発症を防ぎ、重症になる人をできるだけ減らすことが目的です。(編集部)