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ラグビーW杯開幕 熱戦を再び【ニュース知りたいんジャー】

9月8日にラグビー・ワールドカップ(W杯)フランス大会がキックオフを迎えました。日本代表は2日にキャンプ地となるフランスのトゥールーズに移動し、本番に向けた最終調整に入っています。いよいよ始まる熱戦の前に、W杯の歴史や今大会の見どころを紹介します。【武本亮子、田村彰子】


 ◇どんな大会なの?


 15人制ラグビーの世界一を決める大会です。1987年から開かれ、今回は節目の10回目です。イングランド、ニュージーランド、オーストラリアなど、ラグビーの歴史が長い国や地域での開催が多かったのですが、2019年にアジアで初めて日本で開かれました。大会期間は約1か月半で、オリンピック、サッカーW杯とともに、世界3大スポーツイベントの一つと言われています。
 優勝チームには「ウェブ・エリス・カップ」が贈られます。1823年、イングランドの学校「ラグビー校」で、ウィリアム・ウェブ・エリスという生徒がフットボール(今のサッカーの原形)の試合中にボールを手に持って走り出しました。カップの名前は、このラグビーの起源とされる伝説にちなみました。


 ◇日本は活躍してきたの?

 日本は10大会連続の出場です。1991年の第2回大会でジンバブエから白星を挙げて以降、長らく勝てませんでしたが、2015年のイングランド大会で優勝経験のある南アフリカを破るなど3勝しました。エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチのもと猛練習したたまものでした。決勝トーナメント進出はなりませんでしたが、一躍注目を浴びました。
 19年の日本大会では1次リーグで、優勝候補のアイルランドから金星を挙げると、強豪のスコットランドも破って、4戦全勝で初めて決勝トーナメントに進みました。大会は盛り上がり、日本代表のスローガン「ONE TEAM」や、ラグビーファンになったばかりの人を指す「にわかファン」などが流行語になりました。


 ◇日本代表はどんなチーム?


 ヘッドコーチのジェイミー・ジョセフさんは「素早く、ボールをしっかり動かし、アタッキングマインド(攻めの気持ち)を持ったラグビー」を掲げます。ジョセフさんは代表を選ぶ時、複数のポジションができる「万能性」を重視しました。司令塔的な役割のスタンドオフ(SO)などのスペシャリストを除き、「いくつものポジションをカバーできることが重要」と話します。
 W杯代表の33人をまとめる主将は19年大会でも活躍したフォワード(FW)の姫野和樹選手(29)で、初選出が兵庫県出身で韓国籍のSO李承信選手(22)ら半数以上です。李選手は朝鮮学校出身者として初めてラグビー日本代表に選ばれました。「今まで見たことのない景色を(子どもたちに)見せられるはず」と意気込んでいます。


 ◇日本はD組、見どころは?


 1次リーグは、全20チームが四つの組に分かれて総当たり戦をして、各組2位までが決勝トーナメントに進みます。世界ランキング14位の日本はD組です。初戦は初出場のチリ、第2戦は前回大会で準優勝のイングランドと戦います。第3戦は、7月のテストマッチで22-24で競り負けたサモアが相手です。決勝トーナメント進出に向けてポイントとなりそうな第4戦はアルゼンチンと戦います。伝統的に体の強さや突破力を前面に出した激しいプレーが持ち味です。
 最近の2大会で活躍した日本の評価は高まっていて、今回は初めて「強豪」として臨む大会と言われます。対戦チームは日本対策をして臨んでくるため、厳しい戦いが予想されますが、ジョセフさんも選手も「優勝」の2文字を目標に掲げます。


 ◇試合会場やキャンプ地は

 日本代表は「バラ色の街」と呼ばれ、世界屈指のラグビー熱を誇るフランス南西部のトゥールーズを拠点にW杯を戦います。フランス1部リーグの強豪チーム「スタッド・トゥールーザン」がある都市で、ラグビーは身近な存在です。
 試合会場の「スタジアム・ド・トゥールーズ」は、街の中心を流れるガロンヌ川の中州にあります。収容人数は3万人ほど。サッカー日本代表がW杯に初出場した1998年フランス大会の初戦で、アルゼンチンと対戦した会場でもあります。ラグビーでは2007年W杯フランス大会で、日本―フィジー戦(31―35で日本が負け)がありました。球技専用のスタジアムなので、グラウンドと客席が近いことが特徴です。(2023年09月06日毎日小学生新聞より)