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藤井聡太と同じものを食べたい! いま話題の「将棋めし」とは?

将棋の雑誌や書籍を発行しているマイナビ出版から、将棋にまつわるお話を伺うこのコーナー。第2回となる今回は何かと話題に上がる「将棋めし」についてフォーカスを当てます。対局中に食べるお昼ご飯やおやつなど、将棋めしはどのようにして決められているのでしょうか?(提供・マイナビ出版)

 藤井聡太七冠の活躍で盛り上がっている将棋界。将棋の内容を楽しめれば良いのですが、お互いが何手も先を読むプロの将棋を理解するのはなかなか難しいものです。

 そこで近年では新しい将棋の楽しみ方として「将棋めし」が注目されています。

 プロの将棋の試合(対局)では朝から始まって夜までかかるものも珍しくありません。そうなると対局中に食事をとることになるのですが、自分の応援している棋士が何を食べたかをチェックしたり、それと同じものを現地で食べたりして楽しむファンが増えてきたのです。

 「○○を食べた時は負けない」とか、棋士の好き嫌いがわかったりすると楽しいですよね。藤井七冠の嫌いな食べ物は「キノコ」、羽生善治九段の好きな食べ物は「そば」といったことは将棋ファンの間でよく知られています。

メニューは近所のお店から

 では、プロ棋士はどうやって対局中にその日の勝負めしを決めているのでしょうか?

 実は棋士の食事のほとんどは出前です。お昼休みが近づいてくると職員が対局室に入って来て出前のメニューを渡します。棋士はその中から食べたいものを選び、お昼休憩の時間に合わせて運ばれてくるという流れになっています。

 対局が行われる将棋会館の近くの店から出前を取るため、その店に行けば棋士と同じものを食べることができます。

 例えば、29連勝という大記録がかかった対局で藤井七冠が「豚キムチうどん」を頼んだのですが、同じものを食べたいというファンが殺到して、あっという間に「豚キムチうどん」が売り切れてしまった、ということがありました。藤井七冠が食べたと聞くと、なんとなくご利益があるような気がしますね。

藤井聡太七冠が第94期棋聖戦第3局(2023年7月3日)で注文した老舗洋食店「千楽」(静岡県沼津市)のカツハヤシライス。お店に行くと同じものが食べられる(写真提供・マイナビ出版)

藤井七冠が第94期棋聖戦第3局(2023年7月3日)で注文した老舗洋食店「千楽」(静岡県沼津市)のカツハヤシライス。お店に行くと同じものが食べられる(写真提供・マイナビ出版)

大人気商品のきっかけになることも

 このように、将棋会館で行われる対局は出前がメインなのですが、これがタイトル戦となるとまた話が変わってきます。

 タイトル戦というのは「竜王戦」や「名人戦」といったプロ棋士による将棋の大会(棋戦)の決勝戦のようなものです。全国各地の由緒ある旅館や高級ホテルで行われることが多いのですが、そこでは近くのレストランやホテルが用意した豪華な食事やデザートが振る舞われます。

 そしてここでも棋士と同じものを食べようとファンが殺到することがあります。例えば、2021年に行われた第62期王位戦第1局で藤井七冠が対局中に「ぴよりんアイス」を食べたことが話題となり、それ以来「ぴよりんアイス」は大人気商品になりました。

 このように藤井七冠が食べればその商品はヒットするということがわかっているため、食事やデザートを用意する側も腕によりをかけて準備する、ということが通例になりました。タイトル戦のために新メニューを開発する、ということも少なくありません。

藤井聡太七冠が食べたことで話題になった「ぴよりんアイス」

藤井七冠が食べたことで話題になった「ぴよりんアイス」

 また、タイトル戦では地元の食材が使われることが多いため、「将棋めし」は各地の特産品や郷土料理を披露する一つの場にもなっています。将棋の観戦を通して、将棋以外のいろいろな情報を知ることができるのは面白いですね。

 皆さんも新しい将棋の楽しみ方として「将棋めし」に注目してみてはいかがでしょうか?

(提供・マイナビ出版)

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著者プロフィール

藤井聡太(ふじい・そうた)

2002年7月19日生まれ、愛知県出身。将棋のプロ棋士。
2016年に史上最年少でプロ入りすると、デビューから負けなしで最多連勝記録を更新する29連勝を達成。2020年に初タイトルの棋聖を奪取すると、その後も次々にタイトルを獲得。2023年6月には名人を獲得して羽生善治九段以来の七冠を達成した。全タイトル制覇となる八冠にあと1つと迫っており、大きな注目が集まっている。

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