Q 予想最低気温や予想最高気温はどうやって調べているの?(長野市、小5)
コンピューター予想を基に予報官が出す
A 翌日の服装を考えるとき、気温の予報は欠かせませんね。気象庁天気相談所の松原竹男所長によると、コンピューターのシミュレーションと予報官による修正の2段階で予想しているそうです。
コンピューターのシミュレーションは、国内外から集めた観測結果を使って、スーパーコンピューターに計算させます。地球の大気は全体で一つなので、日本周辺だけを予想しても正確な予想ができません。そこで地球全体を20キロメートル四方の格子に分け、それぞれの地点ごとに気温や風などがどう変わるのか、3日半先まで予想します。一つの格子につき上空までの高さによってさらに100層に分けるため、1回で1億2700万地点もの予想をするそうです。
20キロメートル四方ごとの計算が終わったら、それを予想気温を出す地点(171地点あります)にあてはめ、地形などの特徴に応じて修正します。ここまでがコンピューターの仕事で、1回につき約3時間かかります。
コンピューターが出した予想は、予報官がデータと照らし合わせ、必要に応じてさらに修正します。内陸と海上の気温の差が大きいときなどに必要で、経験がものをいう作業です。気象庁では1日3回、この作業をくり返して予報を出しています。
コンピューターを利用した予測は1959年から始まりました。計算のプログラムは予報と結果を検証しながら改良を重ねています。このため、現在ではコンピューターの出した予想に基づき予報官が出した予想気温と、結果のずれはプラスマイナス1~2度以内。世界でも有数の精度を誇ります。
近年では気象庁以外にも天気予報を出す民間会社が増えてきました。いろいろ比べて使い分けるといいかもしれません。
(「疑問氷解 Vol.10(毎日小学生新聞)」より)