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【ニュースがわかる2024年6月号】巻頭特集は地震大国ニッポン 被害を減らすために

夏の大敵、蚊 対策は?【ニュース知りたいんジャー】

まだまだ暑さ真っ盛り。楽しい夏休みは、外で思いっきり遊びたいですね。でもこの時期の悩みの種は蚊の存在。刺されるとかゆくなって、もう大変! 対策をたてようと蚊のことを知りたがる知りたいんジャーの質問攻撃を、「金鳥の夏、日本の夏」で有名なキンチョウ宣伝部の安久多恵子さんに受けてもらいました。【長尾真希子】

◇刺されるとどうしてかゆくなるの?

 かゆみの原因は蚊のだ液です。

 蚊は血を吸う時にまずだ液を出します。このだ液には、刺した時に痛みを感じさせない麻酔の働きのある成分や、血が固まるのを防ぐ働きのある成分などが含まれています。これが人の体の中でアレルギー反応を起こし、かゆみを引き起こしています。

◇どんな人が刺されやすいの?

 蚊は人が吐きだす二酸化炭素(CO2)や体温、汗のにおいなどを感じ取って近づいてきます。十数メートル離れた場所からでもCO2を感知して寄ってくると言われています。寄ってきた後は、体温やにおいなどを判別して人や動物に近づきます。

 つまり、運動して汗をかき呼吸も激しい人や、酒を飲んだ後の人、汗っかきの人などは刺されやすいといえるでしょう。O型の人が蚊に狙われやすいといううわさも一部にはありますが、科学的根拠はありません。  

◇どうしたら刺されずに済むんだ!

 鳥などの天敵に襲われるのを避けるためか、蚊は黒っぽい場所を好みます。黒っぽい服を着ていると蚊が寄ってくるので、白っぽい服装の方がいいでしょう。暑さががまんできるなら、長袖長ズボンを着て肌が見える部分を少なくするのも効果的です。汗のにおいが好きなので、汗をかいたらぬれたタオルなどでこまめにふきとるのもいいようです。殺虫剤や虫よけ剤などを使うのも有効です。少し前には、蚊が好むにおいを弱めるために足の裏をきれいにするという方法も話題になりました。

 重要なのは、なるべく家の周りで蚊が発生しないようにすることです。わずかな水たまりでもボウフラ(蚊の幼虫)が育って蚊になります。植木鉢の受け皿や空き缶など水がたまっていそうなものを取り除いたり、定期的に水の交換をするようにして、ボウフラのすみかをなくしましょう。

◇日本(にっぽん)には何種類いるの?

 世界には、約3000種類の蚊がいるといわれ、そのうち日本には、約110種類が生息しています。都市部で見かける主な蚊は、「アカイエカ」と「ヒトスジシマカ」です。

 蚊は種類によって病気)の原因を運ぶ役割をします。アカイエカは西ナイルウイルス熱症、ヒトスジシマカは、デング熱やジカウイルス感染症の病気を運ぶことがあります。ほかにも、日本脳炎やマラリア、ペットの病気であるフィラリアなどを運ぶ蚊もいます。地球温暖化によって、今まで日本にいなかった蚊が日本にも現れ、新たな病気を運んでくる可能性も指摘されています。

◇蚊の一生ってどうなっているのかしら?

ふ化してから成虫になるまで約2週間かかります。成虫の寿命は約1か月です。

血を吸うのはメスだけです。卵を産むために、栄養価の高い血液が必要になるからです。1回に吸える血の量は、自分の体重と同じくらいで、だいたい2~3ミリグラムです。主食は花のミツや草の汁などです。

蚊は、気温が15度を超えたあたりから発生し、26~32度ぐらいで活動が活発になります。活動期間は、3月末ごろから11月ごろまで。ピークは梅雨から9月ごろまでです。逆に気温が高すぎると活動が鈍ります。

◇蚊取り線香誕生秘話

渦巻き型が特徴の蚊取り線香は、1895年に「金鳥」創業者の上山英一郎(うえやまえいいちろう)さんが発明しました。殺虫効果のある除虫菊(じょちゅうぎく)を手に入れたことがきっかけでした。

ヨーロッパやアメリカなどでは、もともと除虫菊を乾燥させて粉にし、ノミとり粉として使っていました。そこで除虫菊の粉を蚊に応用できないかと考え、仏壇用の線香に除虫菊の粉を練りこむことを思いついたそうです。

(2017年8月9日「毎日小学生新聞」より)