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【ニュースがわかる2024年6月号】巻頭特集は地震大国ニッポン 被害を減らすために

ペンギン 北極で生きられる?【疑問氷解】

Q ペンギンは北極でも生きていられますか?(佐賀県、中1)

天敵がいて、生き延びるのは難しい

 A ペンギンは、南極から赤道付近まで南半球に広く分布していますが、北極を含む北半球にはいません。昔は北極海周辺に、オオウミガラスというペンギンに似た鳥がすんでいましたが、北極にはいなかったのではないかと言われています。ペンギン同様、空を飛ぶことができず、海にもぐって魚などを食べていたのですが、人間の乱獲により19世紀に絶滅してしまいました。

 ペンギンは北極で生きられるのか、東京都江戸川区にある葛西臨海水族園の飼育展示係で、ペンギンを担当している山本達也さんに聞いてみました。

 フンボルトペンギンやフェアリーペンギンなど、暖かいところで生活するペンギンにとっては、北極は寒すぎて耐えられないでしょうが、南極や南極周辺の島々など、寒いところで生活しているコウテイペンギンやアデリーペンギン、オウサマペンギン、イワトビペンギンなどであれば、北極の寒さも耐えられそうです。

 しかし、「北極にはペンギンの天敵となりそうな大型の肉食獣、ホッキョクグマがいるので、生きて繁殖していくのは難しそう」と山本さんは説明します。ペンギンは1頭が1個の卵を産み、陸上で集まって卵を温め育てます。このため、ホッキョクグマのかっこうの獲物になりそうです。

 一方、現在ペンギンが暮らしている南極には、ホッキョクグマのような陸上の大型肉食獣はいないそうです。

 また、ペンギンが南極で主食としている、小さなエビの仲間であるオキアミが、北極にはいません。大きめの魚が多いので、「魚を丸のみするペンギンは、食べるのに苦労するかもしれませんね」と山本さん。ペンギンたちが北極で生きていくのは難しそうですね。【毎日小学生新聞編集部・大井明子】

 

              (「疑問氷解 Vol.10(毎日小学生新聞)」より)