Q 家でできる氷は白いのに、お店で売っている氷はなぜ透明なの?(愛媛県新居浜市・小5)
空気が入っていないから
A 夏本番がやってきました。氷の入ったドリンクや、かき氷がおいしい季節です。お店で売っている氷は、ガラスのように透明で、見ているだけで涼しくなります。それに比べて、冷蔵庫でできた氷は、白く濁っています。
これは、不純物や空気が閉じ込められているからです。凍るとは、水の分子がきれいに並んで固く結びつくことです。分子は、ある物質がその性質を失わない、もっとも小さいまとまりのこと。空気や不純物の分子が混じっていると、水の分子の間に閉じ込められて、そこだけ並びがずれてしまいます。これが白く見える原因です。
お店で売っている氷は、不純物を取り除いて、空気が入らないようにゆっくり凍らせています。家の冷凍庫でも、一度沸騰させて不純物を飛ばし、ゆっくり凍らせれば透明な氷ができるはず――やってみましょう。
水が氷になるのは、0度ですね。だからマイナス1度を「氷点下1度」と呼びます。家庭用冷蔵庫の冷凍室は、JIS規格(日本の工業製品について定めた国の規格)でマイナス6度以下となっています。みなさんの家の冷蔵庫の多くは、もっと性能がよくてマイナス12度とか、マイナス18度とかまで冷やせます。これでは凍るスピードが速すぎて、水の中の空気が逃げるヒマがありません。
そこでゆっくり凍らせる工夫をしましょう。利用するのは空気。空気は、熱を通さない特徴(断熱効果)があります。冬に着るセーターも繊維の間にある空気の断熱効果で、体温を逃がさないのです。
さて、製氷皿を発泡スチロールや、プチプチの気泡緩衝材に包んで冷凍室へ。熱が通りにくくなり、ゆっくりと冷えていきます。
それでも真ん中が白く濁るようなら、30分ごとに氷をかき回して、中の空気を追い出しながら冷やします。毎日小学生新聞編集部では、どうしても真ん中に白い濁りが残りました。うまくいった人、写真を編集部に送ってください。
(「疑問氷解 Vol.11(毎日小学生新聞)」より)