本誌巻頭特集では、最新の注目スポーツの魅力や体力アップのコツなどを学びましたね。ここでは運動が苦手な場合、どうしたらスポーツを楽しめるか、チャンナベ先生と一緒に考えてみましょう。
Aさん:あーあ、明日の体育、ゆううつだな。どうして跳び箱なんてあるのかな。アクションスターを目指しているわけじゃないし、日常であんな動きは必要ないよね
Bさん:うまく跳べた時、気持ちいいから僕は好き!! だけど、跳び箱も逆上がりもマット運動も、大人になって役に立つこと、なさそうだよね。なんで授業でやるんだろう?
Cさん:「電卓があれば算数はいらないよね」ってお母さんに言ったら、「脳の訓練になるんだよ」って言われたの。体育も同じで、体を動かすための刺激になるんじゃないかな
チャンナベ先生:いいところに気が付いたね。運動が得意な子は〝動き〟の引き出しが多いんだ。例えば跳び箱には、走る、跳ぶ、手をつく、体を支える、着地する……といろいろな動きがあるよね。引き出しが多いほど、さまざまな組み合わせに対応できて、自分が思ったように体を動かすことができる。そして、それはスポーツに限らないんだよ。どんなことがあると思う?
思い通りに体をコントロールできれば、アイドルのダンスも上手に完コピできるよね。人混みでぶつからないように歩いたり、ごみ箱にうまくシュートしたりすることもかな?
Bさん:そうかもね! お父さんがチャーハンを作る時、「中華鍋を使いこなすコツは、手首の動きと足の踏み込みとタイミングだ!」って言ってたけど、これも同じことかもね
そうか! 体の動かし方と組み合わせを広げるトレーニングって考えたら、体育もちょっと楽しみになってきた。スポーツは苦手って思いこまずに、楽しめばいいよね!
チャンナベ先生
チャンナベ先生から:その通り!! 「運動神経」という名前の神経はなくて、脳から体をどう動かすか指令が出ているんだ。〝動き〟の引き出しを増やせば、日常生活の身のこなしにもつながっていくよ。先生は学生時代、長距離走をやっていて、3年前にまた走り始めたんだ。最初は5㌔でもへばっていたのが、去年はフルマラソンを完走できた。みんなも自分が楽しめる体の動かし方を見つけてほしいな。
取材協力:日能研 イラスト:しばざきとしえ