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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

炭酸飲料の「しゅわしゅわ」が増すのはなぜ?【疑問氷解】

Q なぜ、炭酸飲料はコップに移し替えたり、氷を入れたりすると「しゅわしゅわ」が増すのですか?(静岡県、小6)

溶けた炭酸ガスが外に出る

 A 暑い夏に飲みたくなるのが、冷たい炭酸飲料です。刺激のある「しゅわしゅわ」したのどごしが、気分を爽快にしてくれますね。まずは、この「しゅわしゅわ」が何か、日本コカ・コーラの担当者に聞いてみました。正体は「炭酸ガス」でした。

  炭酸ガスは、空気中にもある気体の二酸化炭素でできています。炭酸飲料は、炭酸ガスを水に溶け込ませて作った飲み物です。水を冷やして圧力をかけて溶かすため、普通に溶ける量よりも多い炭酸ガスを溶け込ませています。いわば、無理に溶け込ませた状態になっています。

  コップに移し替えたり氷を入れたりすると、その刺激で水に溶けていた炭酸ガスが細かい泡(気体)となって外に出ていきます。これが「しゅわしゅわ」が増す理由です。炭酸飲料をふったり落としたり強い刺激を与えると、炭酸ガスは一気に外に出ようとします。ペットボトルや缶を開けた瞬間に中身が噴き出すことがあるため、気をつけてください。

  また、炭酸飲料を飲んで、げっぷが出たことがある人もいるでしょう。げっぷは胃の中から出てくる気体です。おなかに入った炭酸飲料が温められたり刺激を受けると、炭酸ガスが水に溶けきれなくなり気体となって出ていきます。ただし、げっぷの原因は炭酸ガスだけではありません。無意識に飲んでしまった空気が出る場合や病気で出る場合もあるため、注意が必要です。

  炭酸飲料のふたを開けると、容器内の圧力が下がるため、炭酸ガスはどんどん抜けていきます。最後まで「しゅわしゅわ」おいしく飲むためには、ふたを開けたら早めに飲み切ることが一番です。一気に飲みきれない場合は、ふたをしっかり閉めて冷蔵庫で保存し、2~3日以内に飲み切りましょう。【塩路佳子】

溶けていた炭酸ガスが気体となり、コップの内側
にも付いています

                     (「疑問氷解Vol.7」より)