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ラグビーのボールはなぜヤシの実のような形?【疑問氷解】

Q 丸いボールが多いのに、どうしてラグビーはヤシの実のような形をしているのですか。(熊本市、小1)

豚の膀胱を使っていた

 A あんな細長い形のボールで競うスポーツは、ラグビーと、同じフットボールから生まれたアメリカンフットボールくらいかもしれません。

 日本ラグビー協会に問い合わせたところ、「協会の公式見解ではないのですが……」としつつ、資料を提供してくれました。イギリスのイングランドラグビーフットボール協会が発行した『MUSEUM OF RUGBY』からの訳です。

  それによると、ラグビーのボールは昔、豚の膀胱で作られていたそうです。資料には「ウィリアム・ギルバートが靴屋を開き、革でできたラグビーボールの製作を始めました」「(破裂しないように革で包んだ)ふくらませた豚の膀胱でした。そのため形や大きさはばらばらでした。形は楕円形でしたが、現在の物よりも少し大きく、球に近い」とあります。「年月がたち、ハンドリング(ボールを手で扱うこと)とパスが、キックよりも重要になり、ボールの形はどんどん流線形となりました」ともあります。

 ラグビーは1800年代前半、イギリスのパブリックスクール(私立の中等教育学校)の少年たちが学校ごとのルールでフットボール(今のサッカーの前身)を楽しんでいたところ、ラグビーという町の学校でエリスという少年が、ボールを持ちゴールへ走り出したのが始まり、との有名な説があります。確かな事実ではないようですが、「楕円のボールを投げたら変な飛び方をした」「いつものルールとちがうことをしたら盛り上がっちゃった」という感じで、みんなで面白がりながら発展した歴史があるのかも……。全国高校ラグビーフットボール大会は毎年、大阪府の近鉄花園ラグビー場で開かれます。こんなふうに想像しながら観戦すると楽しいですね。               【大和田香織】

                     (「疑問氷解Vol.10」より)