「敬老の日」 進む高齢化社会【ニュース知りたいんジャー】

9月の第3月曜日は敬老の日です。日本の65歳以上の高齢者は、3627万人います。高齢者は年々増える一方、子どもの数は減り続けています。少子高齢化が進むと、どんなことが起きるのでしょうか。【篠口純子】


 ◇敬老の日って?


 「国民の祝日に関する法律」で定められた祝日の一つです。「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ことを目的としています。
 「敬老の日」は、1947年9月15日に兵庫県野間谷村(今の多可町)の村長だった門脇政夫さん(2010年死去)が村のお年寄りを集めて、敬老会を開いたのがきっかけとなりました。9月15日にしたのは、暑くも寒くもなく過ごしやすい気候で、農家にとってコメの収穫も終わり、忙しくない時期だからです。
 48年に「国民の祝日に関する法律」が施行されましたが、「こどもの日」「成人の日」はあるのに老人の日はありませんでした。門脇さんは、村を挙げて県や国へ働きかけました。兵庫県が50年に9月15日を「としよりの日」と独自に制定。そして、66年に「体育の日」(今は「スポーツの日」)などと一緒に「敬老の日」が国民の祝日に加わりました。最初は9月15日でしたが、2003年から祝日の一部を月曜日に移して連休にする「ハッピーマンデー制度」で9月の第3月曜日になりました。
 

◇お年寄りはどれくらいいるの?


 世界保健機関(WHO)は、65歳以上の人を「高齢者」と呼んでいます。国の役所である総務省の発表によると、日本の65歳以上の高齢者は今年3627万人、総人口に占める割合は29・1%と、いずれも過去最多・最高になりました。特に「団塊の世代」(1947~49年生まれ)を含む70歳以上は2872万人、75歳以上は1937万人、80歳以上は1235万人です。
 総人口に占める高齢者の割合は日本が世界最高で、2位のイタリア(24・1%)、3位のフィンランド(23・3%)を大きく上回っています。
 

◇だんだん長生きになっているの?


 国の役所の厚生労働省よると、21年の日本人の平均寿命は、女性が87・57歳、男性が81・47歳でした。新型コロナウイルス感染症の影響で、東日本大震災があった11年以来、初めて前の年を下回りました。国別の順位は、女性が世界1位で、男性は3位です。女性は2位が韓国(86・5歳)、3位がシンガポール(85・9歳)。男性は1位がスイス(81・6歳)、2位がノルウェー(81・59歳)です。
 日本の100歳以上の人は、過去最多の9万526人となりました。100歳以上の人は、調査が始まった1963年には全国で153人しかいませんでしたが、81年に1000人、98年に1万人、2012年に5万人を超えました。食生活の改善や医療の進歩などが背景にあるとされます。


 ◇子どもは減っているの?


 総人口に占める高齢者の割合は、1950年は4・9%でしたが、85年に10%、2005年に20%を超え、22年に29・1%となりました。第2次ベビーブーム期(1971~74年)に生まれた世代が65歳以上となる2040年には、35・3%になる見込みです。
 一方で、総務省が今年5月に発表した、外国人を含む日本の15歳未満の子どもは1465万人となり、41年連続で減少しました。総人口に占める割合も11・7%で、48年連続の低下です。いずれも統計が残る1950年以降で、過去最低を更新しました。
 少子化が加速し、生まれる子どもの数は2016年に100万人を切り、21年は81万人にまで落ち込みました。22年上半期(1~6月)に生まれた子どもの数は38万4942人で、初めて40万人を下回りました。新型コロナウイルス感染症が長期化した影響で、将来への不安から「産み控え」が起きているという指摘もあります。


 ◇高齢化が進むとどうなるの?


 日本の年金制度は、20歳以上の働く世代(現役世代)が保険料を納め、高齢者に年金を給付する仕組みです。現役世代が高齢者を支える「世代と世代の支え合い」と呼ばれます。1970年は「8・5人で1人」を支える「胴上げ型」、2015年は「2・1人で1人」を支える「騎馬戦型」でしたが、50年には「1・2人で1人」を支える「肩車型」になります。
 年金の制度を維持するために、国は年金を受け取る年齢を遅らせるとともに、高齢者が年金に頼らずに働き続けて生活できる環境を整えようとしています。今年4月から、年金の受け取りを60歳から75歳までの好きな時期に選択できるようになりました。企業には、70歳まで働く機会を確保する努力義務が課せられました。21年の働く高齢者は909万人と過去最多になり、高齢者の4人に1人が働いています。働いている人全体に占める高齢者の割合も13・5%で過去最高でした。(2022年09月21日掲載毎日小学生新聞より)