【ニュースがわかる2024年10月号】巻頭特集は「発明が世界を変える」

野球はなぜ9回?【疑問氷解】

Q 野球はなぜ10回じゃなくて、9回までなんですか?(京都府宇治市・小2)

聖なる数字3の倍数

 確かに10回までの方がきりがいい気がしますね。東京都文京区にある野球殿堂博物館で野球の歴史を調べると、野球は1845年にアメリカ人のアレキサンダー・カートライトがルールを作り、このルールをもとに46年に最初の試合が行われました。しかし、このときは21点を先に取った方が勝ちというもので、何回までかは決まっていませんでした。9イニング制(9回まで)を採用したのは57年になってからです。残念ながら、当時のくわしい資料は、野球殿堂博物館にも残っていません。

 それではイニング制にルールを変更した理由は何だったのでしょう。都市対抗野球本部で、東芝野球部マネジャーの佐藤将太郎さんに聞きました。

 「野球はアメリカで、パーティーの前に親睦を深めるために始まったスポーツといわれています。21点を先に取った方が勝ちというルールでは、試合の終了時間がバラバラになって、パーティーの料理を用意するコックたちが困っていました。そして考え出されたのが、終わりの回数を決めるというものです」と佐藤さんは話します。

  9回にした理由は、3を3回くり返して9にしたと伝えられています。キリスト教の教えの中では「三位一体」など「3」は、聖なる数字と考えられているからです。野球のルールには他にも、3アウトでチェンジ、3ストライクで1アウト、など3が多く使われています。選手も1チーム9人です。(「疑問氷解Vol.9」より)