身近な自転車 乗り方を見直そう【ニュース知りたいんジャー】

東京都内を担当する警察組織、警視庁が10月下旬から、自転車の危険な運転について、取り締まりを強化しました。小学生にとっても身近な乗り物ですが、ルールを守らなければ重大な事故につながります。安全に乗るために、注意したいポイントを警視庁に聞きました。【田嶋夏希】

◇自転車の違反の取り締まり厳しくなったの?

 警視庁が取り締まりを厳しくしたのは、信号無視▽一時不停止▽右側通行▽徐行せずに歩道を走る――の4項目です。これまでは呼び止めて注意を促す「警告」にとどめていましたが、14歳以上で危険性が高い場合は「赤切符」を渡され、場合によっては懲役刑や罰金が科されます。
 信号無視や一時不停止、右側通行をすると、交差点から自転車が急に飛び出して来たり、普通は来るはずのない方向から自転車が走って来たりする形になって、重大な交通事故になる危険性がとても高くなります。このため、取り締まりを強化することにしました。こうした危険な自転車の運転をやめさせてほしいという、住民らの要望や意見が警視庁に数多く寄せられているそうです。

◇自転車にはどんなルールがあるの?

 免許が不要で、誰でも手軽に乗れますが、自転車は車の仲間です。警視庁の担当者は「乗り方を間違えれば、自分が死んでしまうことはもちろん、他の人をけがさせたり、死亡させたりしてしまう可能性もあることをよく理解する必要がある」と言います。

 自転車のルールで、特に大切なのが「自転車安全利用五則」です。

①車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先
②交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
③夜間はライトを点灯
④飲酒運転は禁止
⑤ヘルメットを着用

――の五つの項目があります。

◇小学生が特に気をつけたいことは?

 2021年に自転車事故で亡くなったり、けがをしたりした人のうち、20歳未満の人は28・3%(警察庁交通局調べ)と高い割合です。自転車に乗る機会も多い小学生は、事故を起こしやすい年代だと意識しましょう。
 小学生(13歳未満)は自転車で歩道を通行することが認められていますが、徐行(すぐに止まれるような速度でゆっくり走ること)をせずに歩道を走ると、歩行者とぶつかって大きなけがをさせてしまったり、死亡させてしまったりすることになります。自転車と歩行者の交通事故は増えていて、そのうち3割以上が歩道で発生しています。スピードを出しすぎないように、歩行者の妨げにならないように気をつけましょう。

◇ヘルメット忘れてない?

 東京都内の自転車事故で亡くなった人のうち、約7割が頭部のけがが原因でした。また、頭部をけがした際の死亡率は、頭部以外の部分と比べて約15倍も高くなるため、ヘルメットで頭を守ることは、とても大切です。保護者は、13歳未満の子どもに自転車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならないという努力義務があります。来年4月27日までには、全ての人が対象になります。

◇万が一事故を起こしてしまったら?

 自転車事故で相手の人にけがをさせたり、死亡させたりしてしまった場合、事故の責任を問われ、損害賠償を請求されることがあります。自転車で走っていた小学生が、歩いていた62歳の女性と衝突して重大なけがをさせてしまった事故では、2013年に裁判所が、小学生の保護者に約9500万円を支払うよう命じました。このような賠償に備えて加入するのが「個人賠償責任保険」という保険で、火災保険や自動車保険などとセットで加入するのが一般的です。自動車を運転する人は、自動車賠償責任保険に必ず入らなければなりませんが、自転車の場合は任意です。

 しかし、日本損害保険協会の富永淳子さんによると、この事故がきっかけで、保険への加入を義務づける自治体が出始めました。現在では30都府県が義務化したほか、9道県で努力義務になり、保険加入の動きは広がりつつあるそうです。ただ、保険を使って賠償金を払えたからいい、というわけではないと、富永さんは強調します。「事故を起こしてしまった場合、被害者や加害者だけでなく、家族もつらい思いをすることになります。自転車はルールとマナーを守って乗ってほしいです」

(2022年11月30日毎日小学生新聞より)