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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

なぜ上空に寒気が流れこむと大気が不安定になるのか?【天気のふしぎ】

「上空に寒気が流れこんで大気が不安定になっている」「大気は安定している」という解説をテレビやラジオの天気予報で耳にしたことあると思います。
そもそも大気の状態が「安定」「不安定」というのは、どういう状態のことを指すのでしょうか。

※本記事は日本雑学研究会『お天気のミステリー』(毎日新聞社)から一部抜粋・再編集したものです。

 なぜ上空に寒気が流れこむと、大気が不安定になるのでしょうか。

 大気の安定・不安定は、ダルマの置物にたとえるとよくわかります。ダルマは下の部分が重く、上の部分が軽い。だから重いほうが下になっていればダルマは安定し、逆さに置けば不安定になります。大気の状態もそれに似ています。

 空気は冷たいものほど重く、暖かいものほど軽い。上空に寒気(冷たい空気)が流れこむと、冷たい空気は重いので下へ降りようとし、暖かな空気は上へ昇ろうとします。

 すなわち対流が起き、大気は安定を欠いて、不安定な状態になります。逆に上に暖かい空気、下に冷たい空気があって、対流が起きにくい状態が安定した状態です。

 大気の状態が不安定なときには上昇気流が盛んになり、雲が発生し、天気が悪くなります。夏の午後に内陸部や山岳地域で発生する雷雨は、上空に冷たい空気が流れこんだときに起こります。