台風にはなぜ「目」があるのか【天気のふしぎ】

「台風」の中心には必ず穴がありますよね。「台風の目」といわれています。なぜ、台風には目があるのでしょうか?その理由をくわしくみてみましょう。

※本記事は日本雑学研究会『お天気のミステリー』(毎日新聞社)から一部抜粋・再編集したものです。

 気象衛星が捉えた台風の雲の写真を見ると、その中央付近に雲のない円形の穴みたいなものが写っています。いわゆる「台風の目」です。台風の風速はふつう内側に入っていくほど増していきますが、中心の台風の目では風が弱くなり、雲もなく雨が止みます。どうして台風には、そのような目があるのか。

 台風は熱帯低気圧が発達したものです。低気圧のため、その中心は気圧は低くなっています。台風の風は中心に向かって螺旋状に吹きこみ、そして風速は中心部に近づくにつれ増してくるのです。

 それに伴い遠心力が強くなってくるため、中心から数十キロメートルのところで風は中に吹きこめなくなります。そこで上昇気流となって吹き上がり、直径数十キロメートルもの積乱雲の巨大な壁ができるのです。

台風の断面図

 壁の内側には下降気流が生じ、その結果、台風の中心には雲がなく、雨の降らない区域、すなわち「台風の目」ができます。台風の目の大きさは、ふつうは直径30~50キロメートルくらい。中には100キロメートルに及ぶものもあります。